コ・フェスタ「東京ゲームショウ2009」連動ブースでは、「ゲームの今と未来」をテーマに様々な技術が展示されました。ブースダイジェスト2回目は、「ゲームの未来」をテーマにアカデミックの現場からの提言を紹介します。
今回は、慶應義塾大学舘研究室と東京大学川上研究室の「Tachi Lab(タチラボ)」の研究成果、「グラヴィティーグラバー」、「PEN DE TOUCH(ペン デ タッチ)」、「TWINKLE(トゥインクル)」の3種類が展示されました。こちらでは、実際に展示されたパネル内容を技術ごとに紹介します。
「グラビティ・グラバー」とは?
実際には存在しないバーチャルな物体の重さや動きを,触覚を介して感じることができます。
物理シミュレーションによって、人の指とバーチャル物体との接触や反力を計算し、それに応じて指先にある2つのモータがベルトを巻き取ることで、指を押し込む力(圧力)や横に引っ張る力(せん断力)を伝えます。
●バーチャル空間にある物をつまむ
→つまむスピードや強さに応じて指先の圧力を徐々に増やしていきます。
●空の箱をつかんで左右に振ると、中に何かが入っているような感覚がする
→実体のある箱と,バーチャルな中身を組み合わせることで,触覚のAugmented Reality(拡張現実)を実現しました。
●上から落ちてくる物をコップで受け取る
→指の表面が下にずれるようにモーターを動かすことで,物の重さ・重力を伝えます。
■開発した理由について
DUALSHOCKやWiiリモコンなど、「振動」するゲーム用コントローラーはずいぶん普及しました。しかし、「触った感じ」や「モノを持った感じ」という感覚を伝えるにはいたっていません。
一方で、研究開発用の「触覚提示装置」(触った感覚を再現する機器)は、とても高価で一般的に使えるものではありません。そこで、リアリティのある触覚体験を、なるべく簡単な機構で手軽に体験できるようにという目的でGravityGrabberを開発しました。開発にあたってもっとも苦労したのが、最小限の機構でいかに効果的な「触覚」を作り出すか、という点です。
■ゲームでの応用の仕方について
FPS(ファースト・パーソン・シューティング)などでは、周囲にある「物体」を拾ったり、投げたりするシーンがよりリアルになります。また、発砲するときの引き金の感覚なども得られるでしょう。さらに扉を開いたり、スイッチを押すといった行動も再現することで、自分が画面の中に入り込んでいる感覚が強まります。
パズルゲームなども、リアルな感覚が得られます。ブロックをつまんで積み上げたり、ピースをうまくはめ込んだり、といった直感的な操作ができるようになります。
■触覚デバイスについて
触覚インタフェースは、ユーザが起こしたアクション(つかむ、押す、なでるなど)に応じて、手や指の皮膚にかかる力をフィードバック(再現)します。
身振り手振りを行うだけで,まるで本物を触っているような感覚が得られるので,様々な分野での応用が期待されています。
例えば、遠隔地での手術やロボットを使った救助作業など、TVモニター越しに緻密な作業をしなければならない場面では既に使われて始めています。
将来的には,テレビ電話の進化形として遠くにいる相手の手を握ったり、一緒に遊んだりできるようになるかもしれません。
ゲームで普及するためには、「誰でも使える」「色々な触覚を楽しめる」「安くなる」などの条件が必要になりますが、視覚・聴覚による演出に触覚が加わることで、よりエキサイティングな体験ができるようになるはずです。
