【検証55歳からの性 セックス健康法】セックスレス時代、しっかり話し合って2人のベース構築を 「それぞれに合った仕方で楽しめばいい」

 
何でも話し合える関係性が大切

 妻のセックスへの態度が冷たくなった。どうしてなのか。「セックスレス時代の中高年の『性』白書」(編/日本性科学会セクシュアリティ研究会)の著者の1人、田園調布学園名誉教授の荒木乳根子さん(臨床心理士)に聞いた。

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 女性は50歳前後になり閉経を迎えると、「もう子供はできないからセックスを楽しみたい」という人と、「月経がなくなったら、もうセックスはしたくない」という人に大きく分かれるという。

 「両者を分けるポイントは、これまでの性生活が女性にとって魅力的だったかどうか。『セックスは楽しいこと』と共有してこなかった場合、後者のようになる。その妻の態度が原因で、心因性のED(勃起不全)になる中高年男性も多いのです」

 荒木さんらが行った40~70代男女の性活動の調査によると、有配偶者の前戯(ぜんぎ)を含めたセックスにかける時間は約4人に1人が10分程度(男性回答)。こんな短時間では、女性はオルガズムに達することができず取り残されてしまう。

 一方、単身者のセックスでは30分以上が63%(男性回答)で、20分程度は24%(女性回答)。有配偶者も単身者も男性の満足度に変わりはないが、女性は単身者の方が圧倒的に満足度は高いという。

 「それに女性は50代後半になってくると、腟が萎縮して性交痛が強くなってきます。そういうときに前戯に十分時間をかける、ゼリーを使う、体位を工夫するなど、男性に優しい思いやりがあればいいのですが、女性は一度痛い思いをするとセックスを楽しめなくなってしまうのです」

 中高年がセックスを楽しむには、男性も女性の体に対する知識が必要。それを話し合うことができる2人の関係性がベースにあることが大切になるという。調査では、70歳代でも約2割の人がセックスを楽しんでいることが分かっている。

 「60代、70代で性交痛が強いようなら、女性はハグされるだけでもいいのです。男性もいつまでも『勃起』や『挿入』にしばられていると、セックスを楽しむことはできません。それぞれのカップルが、それぞれに合ったセックスの仕方で楽しめばいいのです」 (水川信吾)