ロシア地下鉄爆破テロ、イスラム過激派の報復か 狙われたプーチン氏…政権に大打撃

 
爆発で大きく破損した地下鉄のドアとホームに倒れる人たち=3日、サンクトペテルブルク(AP、画像を一部加工しています)

 プーチン大統領のお膝元が狙われた。ロシア第2の都市、北西部サンクトペテルブルク市で3日午後、走行中の地下鉄車両内で爆発が発生した。ロシア国家テロ対策委員会は11人が死亡、51人が負傷したと発表、当局は自爆テロとみて捜査している。プーチン氏が出身地に滞在中のところを襲った犯行は、イスラム過激派による報復との見方も浮上している。

 爆発は市中心部の地下鉄駅「センナヤ広場」と「工科大学駅」の間を走っていた車両内で起きた。センナヤ広場は、文豪ドストエフスキーの小説『罪と罰』にも描かれた。地下鉄「蜂起広場駅」の構内でも、殺傷力を高めるため多数の金属玉が詰められ、消火器に偽装された爆発物が見つかった。

 捜査関係者は、実行犯が最初に蜂起広場駅で爆発物を置いた後に自爆したと指摘。連続爆破を狙ったテロの可能性が高まった。

 インタファクス通信などロシアメディアによると、容疑者は中央アジア出身の23歳の男という。ロシアが「イスラム国」(IS)など過激派組織掃討を名目に空爆を続けるシリアの反体制派武装勢力とも関係があったという。

 サンクトペテルブルクはプーチン大統領の出身地。プーチン氏がベラルーシのルカシェンコ大統領との会談のため同市内に滞在中にテロが発生しており、政権への打撃は小さくない。プーチン氏は「原因はまだ分からないが、テロを含めあらゆる可能性を調べている」と述べた。夜には現場付近を訪れ、犠牲者に献花した。

 安倍晋三首相は4日朝、「テロは断じて許すことはできない」と述べた。ドナルド・トランプ米大統領も3日、「ひどいことだ。(同じようなことが)世界中で起きている」と語った。

 プーチン政権はシリアでISの掃討作戦を続けていることから、ISはロシア国内での報復を示唆していた。ロシアと2度の独立紛争を経た北カフカス地方のチェチェン共和国にも、反体制勢力はくすぶっている。