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2008年1月16日(水)

『機動武闘伝Gガンダム』主題歌で知られる鵜島仁文 大復活インタビュー

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鵜島仁文

あの熱い歌声が甦る!
アニメ『機動武闘伝Gガンダム』の主題歌「FLYING IN THE SKY」と「Trust You Forever」でアニメファンに強いインパクトを残した歌手・鵜島仁文が十数年ぶりに復活!この嬉しいニュースを聞きつけて、鵜島さん本人に新アルバム「FIRE BIRD」について、そして『Gガンダム』に対する想いについてお話をお聞きしてきました。

鵜島仁文

イベントの熱気が復活のきっかけに

――鵜島さんは1997年以後、音楽プロデューサーや楽曲提供などのお仕事をされていたんですよね。今回の復活までの間、歌手・鵜島仁文としての活動はどのようにお考えでしたか?

鵜島:歌いたい"気持ちは常にあって、最善の方法を暗中模索する時期が長く続きました。それから「自分で楽曲制作からイメージ作り、営業やプロモーションまで、すべてやれる状況にならないと動けない」という考えに達し、去年「インターネットも普及しているし、きちんとやれば(復活に)こじつけることができる」という気持ちになりまして、しっかり構想を練って、ここまで一直線にやってきました。

――具体的なきっかけになる出来事はありますか?

鵜島:去年と一昨年に参加したイベントですね。まず、2005年に幕張メッセで開催された『C3×HOBBY 2005(キャラホビ2005)』で2日間計5回ぐらいステージで歌い、そして、2006年1月に米倉千尋さんの10周年記念ライブに、ゲストとして参加させていただきました。

さらに、4月30日にZeppTokyoで開催された『スーパーロボット魂(スピリッツ) 2006 "春の陣" II GUNDAM 』と、5月5日になんばHatch で開催された『スーパーロボット魂 2006 "大阪 春の陣" 』に参加したのですが、僕の名前は多少聞いたことがあっても顔は知らないだろう人たちが、「FLYING IN THE SKY」と「Trust You Forever」を歌うと、ものすごく大きな歓声を上げてくれるんですよ。 そのとき「ああ、ステージってこんなに気持ちいいのか」と感じて、それがかなり大きなきっかけにはなりましたね。自分で歌いたくなったんですね、ほんと。

鵜島仁文

『機動武闘伝Gガンダム』との出会い

――アニメファンには、やはりその『機動武闘伝Gガンダム』(以下『Gガンダム』)の主題歌である「FLYING IN THE SKY」と「Trust You Forever」が、一番馴染みがあると思います。鵜島さんにとって、この2曲はどんな曲ですか?

鵜島:僕は27歳の時に「FLYING IN THE SKY」でデビューしましたが、その先の人生をすべて決定づけたと言っても過言ではないです。『Gガンダム』に出会っていなければ、今の僕はありません。まったく別の仕事をしていたかもしれませんね。

――今回のアルバムには「Trust You Forever 2007」が収録されていますね。

鵜島:今年9月に発売されたPS2用ゲームソフト『Another Century's Episode 3 THE FINAL』(バンプレスト/フロムソフトウェア。)に、『Gガンダム』も参加していて、「Trust You Forever」が入っているという情報をアルバム製作中に知ったんです。それで、歌から編曲まですべて録り直した「Trust You Forever 2007」と聞き比べてもらうと面白いのではないかと思い、収録しました。

――「FLYING IN THE SKY 2007」はないのですか?(笑)。

鵜島:実は11月に発売された『Another Century's Episode 2』のリマスター版に「FLYING IN THE SKY」が入っていると後で知って、こっちも収録すれば良かったと思いました(笑)。可能であれば、次の機会にぜひ収録したいと考えています。

――1994年当時、『Gガンダム』の主題歌を歌うことになった経緯を教えていただけますか?

鵜島:僕は18歳から27歳までずっと大阪にいたんですけど、7〜8年間はバンドをやってたんですよ。ただ、コンテストに参加してもいいところまではいくのですが、結局デビューはできず、バンド解散後は一人で活動を続けたんです。 それから、1993年の「ミュージッククエスト」(主催:財団法人ヤマハ音楽振興会)というコンテストで、関西・四国地区の特別賞をいただいて、東京の本戦に出場したんですね。そのコンテストには、いろんなメーカーの方が見に来ていたのですが、キングレコードの方が気に入ってくださいまして、お世話になることになったんです。

――キングレコードさんとの縁はコンテストだったんですね。それから、『Gガンダム』の曲を作るように?

鵜島:まず「新しいガンダム用に何曲か作って」と言われました。「熱い」「闘い」「たくさんガンダムが出てくる」ぐらいの断片的な情報を元に、3曲送ったのですが、その中の「FLYING IN THE SKY」が採用されて。 まだその頃は大阪でコックやウェイターのアルバイトをしてたんですけど、「歌詞の中に『Gガンダム』『シャイニングフィンガー』という言葉を入れるんですね」なんて、ピラフを作りながらディレクターさんと電話でやり取りして(笑)、曲を完成させていきました。

――元々の歌詞に「シャイニングフィンガー」なんて単語が入るわけないですもんね(笑)。

鵜島:僕ですね(笑)。どこに入れたら一番しっくりくるか、いろいろ試して、サビの「FLYING IN THE SKY!」の部分に。「Gガンダム」というフレーズは、バックコーラスで聞こえてきたら気持ちいいかなという感じで。

――ライブでは、ちょうど合いの手が入る部分ですよね。

鵜島:ええ、入れていただくとすごく嬉しいですね。

――では、『Gガンダム』後期の主題歌「Trust You Forever」は?

鵜島:僕監督さんが「FLYING IN THE SKY」を気に入ってくださったらしく、「じゃあ、また鵜島で」と監督さんからご指名いただきました。このときは「イントロをオリンピックみたいな壮大な感じに」「男たちの熱い友情」ぐらいの注文で、後は自由にやらせていただきました。

鵜島仁文

「そんなの関係ねぇ!」が最後の一押しに!?

――今回のアルバム制作で、歌手としては久しぶりのレコーディングとなったわけですが、当時と違う部分はありましたか?

鵜島:歌声に関しては、ずっといろんな声の出し方を模索してトレーニングしていたので、高い声は前より出るようになってますね。久しぶりに自分で歌ったのは気持ち良かったです。

――楽曲提供をするときと、制作時に違いは?

鵜島:僕は楽曲提供するときも、自分で歌ってギターも弾いて、アレンジも全部した状態、大げさに言えばそのままCDにできるような状態でデモテープを渡しているので、その辺の作業に関しては特に違いはありませんでしたね。

――自分で歌うことによって、より鵜島さんらしい曲ができたというところでしょうか?

鵜島:そうですね、提供楽曲の場合は、提供させていただくアーティストさんの歌声を頭に思い浮かべながら作りますからね。自分の曲は、もう感性のままに作っています。

――「FIRE BIRD」というアルバム名は不死鳥、"復活"という意味が込められているんですか?

鵜島:ええ、フェニックスという言葉もありますけど、それはちょっとバタくさいかなと感じて。「FIRE BIRD」は火の鳥で"燃えている"熱いイメージや、昔好きだった車の名前でもあって、これに決めようと。。

――では、1曲目の表題曲「FIRE BIRD」は、タイトルが決まってから作られた曲なのですか?

鵜島:頭の中ではほぼ出来上がっていたのですが、肝になる言葉が決まってなかったんですよ。それで、タイトルが決まってから、「これだ!」と一気に作り上げた曲ですね。

――鵜島さんは、数年前、楽曲をインターネットで発表されてた時期があるんですよね?

鵜島:そうなんですよ。4〜5年前……、細かい部分は忘れてしまいましたが、当時、MP3で音楽を発表するのが流行し出した頃だったんです。それで、海外の大手会社「MP3.com」と英語がわからないまま、メールでやり取りしながら配信していました。しばらくするうちに会社が買収されたりして、結局そのまま立ち消えになっちゃったんですよね。

――当時はまだ今のように音楽配信が当たり前ではない時代ですよね。それで、今回のアルバムには、その頃の曲も収録されているとか。

鵜島:ほぼレコーディングし直していますが、全曲入ってます。ファンの方の間でも「噂では知ってるけど、実際に聴いたことがない」というやり取りが何度かあったので、この機会にちゃんと聴いていただこうと。

――アルバム曲の中で、特に思い入れのある曲は?

鵜島:やっぱり「FIRE BIRD」ですね。復活の狼煙といいますか、そういう気持ちをすごく込めた曲です。「動かなかった 何もしなかった その理由はわからない でも 今俺はこれから歩き出すんだ」という歌詞の内容なのですが、これは僕の心境でもあり、また、社会に出て行けない方も、自分の心の中で何かきっかけがあったら外に歩き出せるんじゃないかな、っていうのをすごく伝えたいと思いまして。僕もけっこう内に籠もってしまうタイプなので、似た者同士の人にわかってもらいたいです。

――他の曲も、そんな生き方について応援するような曲が多いですね。

鵜島:僕自身の背中を押す曲が多いですね(笑)。それに内容の薄いものは作りたくなかったので、表面だけを言葉の美しさだけで飾り付けるのではなく、強くメッセージを込めました。

――制作過程で特に苦労されたことはありますか?

鵜島:最後の最後、マスタリングの段階ですね。ギターの細かな音圧なんですけど、「スピーカーで聴くと良い。すごく好みだ。でも、ヘッドホンで聴くと、音が強すぎて、他の音を殺してしまうのでは」とずっと、相当長い間思い悩んでたんですよ。それで完全に深みにハマっていたんですけど、それを見かねたスタッフに「もう、これで行きましょう『そんなの関係ねぇ』」って言われまして。あの拳を地面に叩きつける動きをしながら(笑)。

――え? 小島よしおさんのアレですか??

鵜島仁文

鵜島:そうです(笑)。その言葉に衝撃を受けて「そうか、僕が好きなようにやればいいんだ」と最後の一押しをされました。本当にその一押しがなかったら、まだアルバムは発売できてなかったかもしれませんね。その後に、本物の小島よしおさんを見たくて、テレビ番組をはしごして、本物のインパクトにさらなる衝撃を受けましたけど(笑)。いや、でも、小島よしおさんには本当に感謝してますね。

鵜島仁文

米倉千尋さんとの交流

――アルバムには、1998年に米倉千尋さんに提供された曲「HEAT」も収録されています。数々の提供曲の中で、この曲が収録されている理由は?

鵜島:特に思い入れの強い曲をまず収録したかったこと。それに、提供曲の中には共作も数曲あるのですが、このアルバムは作詞・作曲・編曲を全曲僕自身が手がけるというスタンスだったという理由も少しあります。

――思い入れというのは?

鵜島:「HEAT」は元々僕が歌うつもりで作った曲なんです。ある人物の人生に触発されて、それを自分に照らし合わせ「必死でもがいてるけど、でも、気がついたら今俺はどこにいるんだろう」というメッセージを込めた作品で、当時提供させていただくときも「歌詞と曲を変えずに、オリジナルでいいのでしたら」ということで米倉さんに歌っていただきました。

――米倉千尋さんと交流はあるんですか?

鵜島:それがお会いしたことも数えるほどしかないんですよ。初めて曲を提供させていただいたのが12年ぐらい前で(1996年「私の勇気」)、それからしばらく経って、僕の家の近所にある店で、米倉さんがインストアイベントをやってたんですね。たまたま通りかかったら、僕を見つけたキングレコードのディレクターさんに「お、うっしー!うっしーじゃん。米倉さんと挨拶してよ」って呼ばれまして。完全にオフだったので、髪もぼさぼさで顔も洗ってないジャージを着たよれよれの格好だったんですけど(笑)。それから、もう10年ぐらい、まったくお会いしてなかったんですよ。

鵜島仁文

――ええ!?(驚)

鵜島:再会したのが、先ほどお話した去年1月の米倉さんの10周年記念ライブに呼んでいただいたときのリハーサルです。繋がりとしては直前に「ALIVE」という曲を提供してましたけど(『仙界伝・封神演義』イメージソング)、どんなお話をしていいかわからず(笑)、「がんばってらっしゃいますね。これからもずっといい歌を聴かせてください」とお話したぐらいで。 その後5月に例の『スーパーロボット魂』で「永遠の扉」という曲を一緒に歌いました。久しぶりに表に出て、歌詞を間違えると失礼なので、ものすごい緊張しました。

――それだけ久しぶりで、いきなりライブにゲスト出演というのもすごいですね(笑)

鵜島:そうですね(笑)。米倉さんには11曲提供していたので、米倉さんサイドとしては、僕もお馴染みの人という感覚だったみたいで。「今日は"うしまつり"でいきますから」とライブでも、提供曲の中からたくさん歌っていただいて、嬉しかったですね。

鵜島仁文

すべて自分で手がけた渾身の1枚

――今回のアルバム、思い入れは相当強いですよね。

鵜島:今回ジャケットと歌詞カードのデザインも、プレス業者と印刷屋さんに渡す手前まで、全部自分でやってるんですよ。

――え、そうなんですか!?

鵜島:ちなみにこのチラシやロゴマークも、名刺も(笑)自分で作ってます。今回は"すべて"自分でやりたいというのがテーマだったので。

――この岩場で撮影されてるチラシや裏ジャケにある写真も自分で?

鵜島:ゴツゴツした場所で男らしい強さを演出したいと色々調べて、すべてロケハンもして。あとは、国内だけど、日本離れした、空のきれいな広々とした場所で撮影したいと。 撮影するときも、自分でファインダーを覗いて、スタッフに立ってもらって「もっと左寄って」とかやって、地面に印つけて。「こういう角度で撮って」と指示して。

鵜島仁文

――徹底的にやってますね。

鵜島:結局これがやりたかったんですよね。全部自分でやりたいと。10年前は、まだデビュー仕立てで、僕自身が自分をどう表現していいのか、明確じゃなかったんですよね。それが10年以上経って、少し地に足がついて、音楽も含めて表現したいことが明確になったということですね。

――それをすべて出し切った、丸ごと1枚鵜島さんというCDなんですね。

鵜島:ええ。おそらく10年後でも後悔しないCDだと思います。ありがたいことに、音楽の仕事をずっと切らさないで続けさせてもらえる境遇にあって、その中で自分を見つめるというか、うわずっていない自分を少しずつ作る時間がありました。その集大成的なものが噴き出てきたという感じですね。 でも、まだまだ終わりじゃなくて、ネタはあるぞという感覚で。頭の中に湯水のように曲は湧き続けてますし、ストックは5,60曲ありますから。次も期待していただきたいです。

――今後の活動はどのようにお考えですか?

鵜島:これまでのように楽曲提供など、作家としてもやっていきたいという想いがありますね。依頼があればもちろん喜んでやらせていただきます。それと平行して、自分自身のアーティスト活動をしていきます。

――ライブなどは考えられてますか?

鵜島:もちろんやりたいのですが、ライブも自分で作り上げたいスタイルがありますし、それが固まるまでは準備期間ですね。でも、イベントにはどんどん出て、みなさんには『Gガンダム』の曲を聴いていただきたいですね。僕は"『Gガンダム』の鵜島"なので。

――では、最後に復活を待ち望んでいたファンの方にメッセージをお願いします。

鵜島:とにかく僕の10年間が詰まったアルバムです。『Gガンダム』は永久に続く、絶対に消えることのない作品ですが、またGガンダムのパワーと共に復活したいと思います。 また、鵜島のことを知らない方もこれを機会に知っていただければ、好きな人には好きになっていただけると思いますので、長くじっくり聴いてみてください。今後ともよろしくお願いします。

――ありがとうございました。

鵜島仁文

FIRE BIRD
鵜島仁文
2007/12/18/ ON SALE
CIR-0001/¥3,000(税込)

 

(C)2007 Cormorant's Island Records
株式会社コーモランツアイランドレコーズ
サンライズ音楽出版株式会社/株式会社コーモランツアイランドレコーズ

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