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2009/1/16

劇場版『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』公開記念!
高橋良輔監督×TETSU 鉄と炎のスペシャル対談

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1983年に最初のTVシリーズが放送されて以来、現在も小説・OVAなどで続編が多数制作され、根強い人気を誇る『装甲騎兵ボトムズ』。
このたび、OVA全12話を再編集し、プロローグ、エピローグ他新作カットを多数追加した劇場版『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』が公開されることとなった。
さらにTVシリーズ主題歌「炎のさだめ」を歌っていたTETSUこと織田哲郎が、今回の劇場版のために再レコーディングを行い、新ヴァージョンとして甦ったのも大きな話題を呼んでいる。
「ボトムズ」生みの親であり、劇場版でも監督を務めている高橋良輔と織田哲郎の豪華対談をここにお届けします!(文:澄川龍一)

●名曲「炎のさだめ」誕生秘話



――このたび『ペールゼン・ファイルズ』劇場版主題歌として、およそ25年ぶりに「炎のさだめ」が起用されます。 まずは25年前のTV版『装甲騎兵ボトムズ』が放送された頃のお話をおうかがいします。 「炎のさだめ」を織田さんが歌われたときは、すでに織田さんはソロ・デビューが決まっていたんですよね。 ところが別のレコード会社からのリリースということで、“TETSU”という変名で歌われたと。

織田 本当は、歌は別会社でやったりしてはダメなんですけどね(笑)。 他で契約が決まっていたので。そのころ、CMだったり番組の主題歌だったり、そういう仕事をよくさせていただいてたんですよ。 当時は歌う仕事であれ作曲だけであれ編曲だけであれ、なんでもやらせていただくということで、よくキングレコードでお仕事させていただいてました。 こっちは「デビューは別会社で決まっちゃっているのでマズイ」という話をしたんですけど、「名前変えちゃえばわかんないよ」ということで(笑)。 それで、別名つけておいてくださいという話をしたら“TETSU”になっていて。モロバレじゃないですか(笑)。 「もうちょっとわからないのつけてくれないの?」とちょっと焦ったんですけどね。

――そこでバレたりというのは……。

織田 幸いなかったです。問題になることは特になかったですね。

――そういった事情というのは、高橋監督はどこまでご存知だったんですか?

高橋 どうも織田さんは、移籍かなんかでひょっとしたら名前が出せないかもしれないという話はうかがっていたんですよ。 それがそんなに大変なことだというのは知りませんでした(笑)。 アニメの世界ですと、たとえばT社に所属しながらM社の仕事をしたりするというのを僕らは散々やっていましたから、認識としてはその程度だったんですね。 大っぴらにはできないけれども、あっちでこっちでこんなことやあんなことをやったりとかわざわざ言わなければ、 アニメーションの場合は看過されているところがあったので。

織田 アニメの場合は、正式にレコード会社として何年契約とかではなくて、単発の契約がやはり多いと思うんですよね。 実際、その当時存在していた全部のレコード会社から実はいろんなものを歌って出しているんですよ。 主にディスコものが多かったんですけどね。 特にキングとはいろいろとよく仕事をさせていただいて、「どうしてもこの歌は哲っちゃんに歌ってほしいんだ」と言われまして。

――そういったなかで生まれた「炎のさだめ」ですが、作詞をされた高橋監督は『ボトムズ』の世界観を踏まえて、どういったイメージで歌詞を作られたのですか?

高橋 歌詞を検証していただくと、全52話のキリコの動きと合っているはずなんですよね。 エンディング(「いつもあなたが」)もフィアナというヒロインの心情に比較的シンクロしている。 僕の場合はですね、最初から全部のストーリーがきっちり出来ているわけではないんですけども、 イントロが出来ているのと同じくらいに、話の最後とか、要所要所のこういう風に進めてこうだ、というのを作ってから入るんですね。 そのほうが制作の管理はしやすいものですから。僕のなかである程度方向が決まっていれば、ライターの人と話をしても短時間でシナリオが出来る。

――この曲を当時聴いたインパクトというのは、歌詞によるところが大きかったと個人的には記憶しているんですね。 「たたかいは あきたのさ」といったフレーズなどがそうですが、そういったところは意識されてましたか?

高橋 それはどうしても企画の段階で意識せざるを得ないというか、あの時代にずいぶんとアニメーションの作品が変わったんですね。 その前ですと、やはり主人公がいて、主人公が頼りにするロボットの名前もあるし、立ち向かう敵というのもどこかの秘密結社でちゃんと想定されてますし、 それを倒して明るい社会を築くんだ!みたいなコンセプトで、ずっと20年くらいアニメーションが出来てきたわけですよね。 それが僕の作品だけではなく、全体に変わりつつあった。 それともう一つは、商売に関わってくるんですけど、いままで玩具と言われていたものが、今度はプラモデルで商品が出る。 やっぱり年齢層がちょっと高くなるんですね。ですからユーザーの年齢が上がったというところが、作品内容も、もちろん主題歌の作詞も影響を受けざるを得ない。

織田 いやあ、インパクトありましたね。やっぱり普通、“地獄”という言葉は出てこないですよね(笑)。 これで「うおっ!」と思いました(笑)。すごく印象深かったです。

高橋 “地獄”そのものは、すごく力んで出したわけじゃないんですよね。 この作品の前の前に監督をやったのが『サイボーグ009』で、石ノ森(章太郎)先生が作った詞が“地獄の使者”。 その影響も出ていたし、『ボトムズ』を作るときにやはりいちばん影響を受けたのがベトナム戦争。 戦争が終わったあと、ものすごくたくさんのベトナム戦争映画がアメリカから出てきたんですね。 エンターテインメントもあれば、それなりにメッセージのしっかりしたものもあるんですけど、そのなかで『地獄の黙示録』という大作もありましたしね。 影響された作品の中に、すごく“地獄”というフレーズが多かったし、読み物のなかでも多かったので、「見つけた!」というよりは、 書いたら入っていたという感じですね。

●放送当時は自分の歌をテレビで観れなかった?!



――いまなお歌い継がれている名曲となった「炎のさだめ」ですが、織田さんは長らく公言できない時期があったわけですよね。ある種水戸黄門的というか。

高橋 逆に僕らはね、けっこう冗談で使ってました。「この曲を歌ってるのは、控えおろう、織田哲郎さんなんですよ」って(笑)。 「え?そうなんですか?」みたいなね。それが最近になってくると、「その話はもうバレバレじゃないですか」という風に変わってきて。

織田 自分のホームページで日記みたいなものを書き出して、5年くらい前に、やっぱりそういう質問も来たので、もう書いちゃったんですよ。 「いくらなんでももういいだろ」と思って。だから、それ以来「あのTETSUって織田哲郎だったの?」って聞かれることは、いまだにありますね。 すごくおもしろいですけども。

――ところで織田さんは、『ボトムズ』が放送された当時はご覧になっていましたか?

織田 それがですね、そのころテレビを持っていなかったんですよ(笑)。 ちょうどその前に人生引きこもりみたいになっちゃってた時期があって、ボヤーっと起きてはテレビを観て、また寝て、昼くらいに起きたらまたテレビ観てという、 ダメな引きこもり生活をやっちゃっていて。 で、「もうこれはダメだ」と思って、とにかくテレビを部屋に置かないっていうことにしていた4、5年間だったんですよ。 なので、ちょうど観られなかったんですよ(笑)。

――なるほど(笑)。

織田 それから3年くらいして、だんだん世の中に『MTV』が浸透しだして、いくらなんでも持たなきゃダメだろっていうことになってきて、 やっとまたテレビを入手したんですよね。 だから基本的にはちゃんと観たことはなかったんですよね。 それで、今回せっかく歌わせていただくのだから全部わかっておきたいということで、これを観ればいちばんわかりやすいという10巻くらいを貸していただいて。 ただ、それでもダイジェストなので、いろいろ抜けているじゃないですか。そこでうちのカミさんが猛烈なアニメ・声優オタクでして(笑)。娘もそうなんですけど(笑)。 もうすでにカミさんは52話観ているので、ここはこういう話が抜けているみたいなことを横で解説してくれながら観ていたので、よくわかりました(笑)。

●25年後に甦った「炎のさだめ」


――そういったなか、このたび25年ぶりに『ペールゼン・ファイルズ』の劇場版であらためて織田さんに「炎のさだめ」を歌っていただくということになったという経緯は、 どういったところから来たのでしょうか。

高橋 特に大きい転換点があったわけではないんですけど、「あのTETSUは、織田哲郎さんなんですよね」っていう若い世代が、ちょうどいまの現場のスタッフなんですよ。 それで、だったらなんとか織田さんに参加してもらう手立てってないんですかねという話が、ここ3年くらい若いスタッフからしょっちゅう話があって。 必然的にそこに行き着いたという感じですね。 でも『ペールゼン・ファイルズ』は『ペールゼン・ファイルズ』で独立してますので、柳(ジョージ)さんに主題歌を歌ってもらったんですね。 ところが、僕は12本完結のDVDの最後のエンディングを「炎のさだめ」にしたかったんですよ。 だから、柳さんで11本まで進んできて、12本目も柳さんのオープニングで始まって、12本目の最後になったときにまたいつものエンディングが出ると思ったら、 「炎のさだめ」が出てきて、それで話は52本(TV版)のいちばん最初に戻るという、そういうプランを立てたんですよね。 それが、映画になるという話が出てきて、織田さんに何か手伝っていただけないか?という気分が一気に実現したということですね。 こういうことは、25年間でのひとつのフックになるよねっていう。

織田 いや、光栄です。

高橋 映画はTV作品のようにオープニングの主題歌が入ることはないので、アバンタイトルはあるんですけどそこに歌が入るわけではく、 映画の要所要所に柳さんの主題歌的なものが流れて。 それが一回終わったところで、エンディング・タイトルのいちばん最初に織田さんの新しいヴァージョンが出てきます。 それから画も全部新しくして、描いてくださったのは塩山(紀生)さんという元々のTV版のオリジナルメンバーなんです。

――方、織田さんは25年ぶりに歌い直すというオファーが来たときは、どういった印象がありましたか?

織田 その話はすごく嬉しかったです。 TETSUさんの唯一の歌なんですけど(笑)、そういったかたちで自分が歌ったものを、 「画を見たらあの歌を思い出す」という人がそれだけいてくれるというところに参加できたということは、やっぱりすごくありがたかったなと思って。 だから、そういう機会に呼んでもらえるというのは、それ自体はすごく嬉しくてありがたい話だったんですけど、正直ちょっと怖いところもあったんですよね。 焼き直すというのは、基本的に思い入れが強いほど、大体評判が悪いものじゃないですか(笑)。 当然自分の声も変わっているし、アレンジも極力イメージを変えないままに、ただちょっと現代風なスピード感だったり、 重低音のニュアンスだったりをいろいろ付けるということをやったんですけど、人のものを聴いていても、基本的に思い入れの強いものは、 焼き直したもののほうがいいと思ったことはないんですよね。 でも、せっかく自分もソロ・デビュー25周年なわけで、ちょうどデビュー寸前だったんですけど(笑)、そのときのものをこういうかたちでまた25年後に歌えるのは、 ひとつのありがたいご縁だなと思いました。

高橋 織田さんの歌もそうですし、画の方もやっぱりちょっと新しくなっているんですよね。 かと言って昔のものを否定するっていう気持ちを持って新しくしているというわけではなくて、かつての最初のファンの何かを逆撫でするようには作ってないと思うんですね。 いまの織田さんの歌によって展開される『ボトムズ』の世界も、かつてのファンに認めてもらえているんじゃないかなと思っているんです。 まだ公開前なんですけど(笑)。でもいくつかの反応を聞くと、決してその部分は、「前のほうがよかったよな」ということはないので。

――織田さんは、あらためてレコーディングされたときのお気持ちはいかがでしたか?

織田 実は、自分が日本語の歌で自分の曲じゃないものを歌う機会ってあんまりないんですよ。 英語の歌だと、洋楽の好きな歌をカバーするということはあるけれども、日本語の歌で自分が書いたものじゃないメロディーを歌うという機会は少ないんです。 「炎のさだめ」は、自分では絶対こうはいかないというメロディーですね。コード感とかメロディーが自分と違うのが、逆にすごくおもしろかったんですね。

――さて、いよいよ公開目前の『ペールゼン・ファイルズ』劇場版ですが、今回OVA全12話をひとつに再編集するということをされて、OVA版と劇場版とではっきり違う部分はあったりするのですか?

高橋 お話そのものは変わってませんね。自分は、本当はだらだら長いものを作るのが好きなんですよ。 一本が長いんじゃなくて、TVシリーズのなかで2年でも3年でも続けばいいなというタイプなんですけど、 そうするといちばん最初にこういう世界を作ろうというのは大体あって、だからそれが芯なわけですよ。 そこにお楽しみの部分をどれくらいくっつけられて、ひょっとしたら枝葉で違う実が出来るかもしれないというのが楽しみなんですけれども。 そうすると、DVD12本と映画というのは、本質的には変わりはないんですけど、もともと持っていたコンセプトがそのままストンと出てきたという、そういう作りになっています。

――では最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

高橋 『ペールゼン・ファイルズ』という作品そのものは、DVDを観てくださったりして、ご存知の方が多いと思うんですよね。 ただ、DVDの流れと映画の流れというのがあって、流れそのものは変わらないですけれども、もともとのTVシリーズ52本がスタートしたときの思いを新たにというのが、 僕なりの構成で込められているので、そこをぜひ楽しみにしてもらいたいなと。

織田 「炎のさだめ」に関しては、あのときに歌ったものが、自分が25年の時を経てそれなりに成長した部分を持って作らせていただいとは思っています。 ただ映画に関しては私もまだ観てないので、皆様と一緒にどういう画面でどういうふうに「炎のさだめ」が出てくるのか、 ドキドキしながら一緒に観させていただこうと思っています。

<高橋良輔監督×TETSU 対談インタビュー動画
+劇場版『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』PV>


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募集期間:2009/1/31まで
応募方法:右記QRコードからアニ★ロコへ今すぐアクセス!(3キャリア共通)

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関連ページ:
○アニメ特集「装甲騎ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」

 


(C)サンライズ
2009/1/16 アニ★ロコ

公式サイト
www.votoms.net/movie

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