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2010/5/28

浪川大輔初監督作品「Wonderful World」、監督インタビュー!!【第二回】

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“声優が創り、声優が演じる本格的実写映画” 「Wonderful World」。
『さらい屋五葉』の秋津政之助役、『閃光のナイトレイド』の伊波葛役、『ヘタリア Axis Powers』イタリア役など、人気作品で活躍中の声優・浪川大輔さんが、人気声優陣を集めた実写映画の監督に初挑戦! 自身も出演されるこの作品について、ZAKZAKでは浪川監督に今の心情をインタビュー!
何故この作品を今撮ろうと思ったのか。
何故敢えて実写なのか。
他では聞けない撮影時の秘話も、たっぷりお届けします。


【作品について】

――今回の作品の登場人物のモデルとなった方はいますか?

浪川:モデルというよりは、今回何を伝えたいかというところからこの映画は始まっているので。
僕の好きな言葉に「反省はしても後悔はするな」っていうのがあって。やってしまったことを、笑い話になるならいいんだけど、本気で後悔してばかりじゃ前に進めないじゃないですか。だから、失敗したら二度とやらない、次にまたやらなければいいと思うんです。でも、過去を見つめないと反省も出来ないと思うんですね。だから、過去を見つめずになかったことにしようとして、皆に愛想を振りまくだけじゃダメだろうっていうところから始まって。そこから、主人公をそういう性格にしようと思ったんです。

――最初にお話のあった、伝えたいことから主人公の性格も出来て行ったということですね。

浪川:まず、主人公にトラウマを持たせて。周りに良い顔する職業ってなんだろうって思った時に、「弁護士だ」と。人を守ることに幸せを感じている、自分を守るより人を守りたいって。
見た目も格好良くて、優秀で完璧な、若くしてエリート弁護士である主人公が、ちょっとしたことから少しずつ変なことに巻き込まれていって。
性格って周りに何か言われてもなかなか直せないもので、自分で直して行かないといけないもので、それを気付かせるためにはどうしたらいいんだろう、というところから、お兄ちゃんが出てきて。主人公はお兄ちゃんが自分のせいで植物人間になってしまったという小さい頃の事件がトラウマになっていて、彼はそのことを償うために、人に優しくしようとしていて。でも、彼はその事件のことを彼女にも隠していたりするんです。だけど、それは真実と向き合っていない、見つめられていないということで。そうやって臭いものに蓋をするように隠すのではなくて、そのトラウマと向き合って、人に優しくするのとでは全然違うんじゃないかと思うんです。 冷蔵庫のシーンと言うのは、臭いものに蓋をしてしまおうとする、象徴のシーンなんです。
お兄ちゃんは、そういう弟に対して、「自分がこうなったのはお前のせいじゃない」って言いたくて。それがある時、主人公の夢の中に出てきて…というところから始まるんですね。お兄ちゃんは病院のベッドでずっと寝ているんだけど、その言葉を伝えるために、弟の夢に出てくるんです。 そこで、インパクトのある伝え方をしようと「HEM」の世界が出てきて。
主人公からすると、「HEM」の世界で出会った人が、現実の方にも出てきて。「見たことあるな」って人が、実際に死んでしまって、身近な人たちが次々と死んでいったり。
「HEM」の世界で出会う人たちは、現実と全然性格が違っているんです。秘書の子も性格が凄く悪くなっていたり、自分の彼女がお兄ちゃんの彼女になっていたり。そういうことからメッセージを伝えようとして、お兄ちゃんの考えたゲームをするんです。その中で、助けたいと思っているのに助けられずに死んでいく人を見ていて、「もう死にたい」っていう逃げに走ってしまうんですね。でも逃げずに向き合うためにどうなっていくか、というストーリーになっています。

――今回の舞台設定は「現実」と「HEM」に分かれていますが、こういう舞台設定にしようと思ったのは何故でしょう?

浪川:対比を見せるために2つの世界がどうしても欲しくて。いつも寝ている状態のお兄ちゃんと、でもそのお兄ちゃんとは、主人公が寝れば「HEM」で会えるということで。2つの世界を作りました。
…まあ、スケジュール的な問題でロケがなかなかしづらくて…室内で出来るようにというのもあったりなかったり…(笑)

――「HEM」の世界のシーンでは過激な描写が多いですね。

浪川:過激といっても、血が出たりという過激さではないんですね。10歳の時に溺れた晃一が思いつくレベルのゲームで、電流イライラ棒みたいなゲームだったり。本当にめった切りにしたりという残虐な感じではなく、どちらかというと殴り合いとかで、刺すことがあっても一刺しくらいで。そういうのが、残酷に見えたり、逆に寂しく感じたりするかもしれないですね。

――DVD特典についてお伺い出来ますか。

浪川:特典の方は、本編のサイドストーリーと言うか、スピンオフで。ほとんどアドリブで作っています。関智一さんにも脚本を書いて頂いていたりするんです。
4人組みのエージェントが出てきて、人の夢を覗き見ているという設定の話になっています。関さんは本編にも出てくるのですが、色々な「HEM」の世界を渡り歩いているエージェントの内の一人で、晃一を探しているんです。この世界に辿りついて、でも晃一がいないので直ぐに帰ってしまうんですが、その時に拾ったアイテムがその後使われたり。
森久保さんが人形にされてトイレに詰まっていたりするところから始まったり、「HEM」の世界で関さんが手に入れてきたスッポンを使ってみたり、釣り竿で釣ろうとしてみたり。シュールな終わり方になっています。

――特典にしか出演されないキャストの方もいらっしゃいますよね。

浪川:大の大人が1日かけてトイレを囲んでいたり…(笑)。さらにそれを4台のカメラを駆使して撮影していたり。
本編がシリアスな話なので、最後はこのメンバーでちょっと面白いものがやれたらいいなと思って作っています。

【伝えたいこと】

――今回のこの作品で伝えたいことは何ですか?

浪川:一回観ただけでは分かりづらい話だとは思うのですが、「誰もが心に持っているハードルも、越えてみたらいいんじゃないか」、「つらい思いや失敗を沢山しても、笑っているのが一番の解決策になるんじゃないか」っていうことを伝えたくて。笑顔でいて欲しいなっていう願いを込めて作ったというのが一番ですね。

――この映画で得たものはありますか?

浪川:まだ公開前なんですが、本当に人の優しさや、人が頑張ってくれる姿に、人間っていいなっていうのが色んな人から感じられて。優しさにも色んな優しさがあるんだなっていうのを感じましたし、心意気、プロ意識を感じられたのが凄く刺激になりました。予算的には、僕の身の丈に合った、これくらいが限界ですという予算組でやっているんですが、そういうことではなくて、気持ちを崩さずにやれたのが刺激的なことでしたね。

――ずばり、次回作の構想が既にあったりは…?

浪川:よく言われるんですけど…(笑)。今あるものをまず全力でやって、DVDもちゃんと発売出来て、多くの方に観て頂いて色んなことを言われて。全て終わったその後で、もし間違って誰かからオファーがあれば…(笑)

――また最後に、映画を心待ちにしているファンの方々にメッセージをお願いします。

浪川:「映画監督になるんだ!」っていう気持ちではなくて、やっぱり僕は役者がメインにあるので。ステップアップって、やっぱり階段だと思うんです。声優として芝居をやって、歌も出させて頂いて、顔出しのお仕事もさせて頂いて。その全部を力にしていくのがステップアップだと思うんですね。歌のお仕事が来たから歌ばかりとか、監督のお仕事があったから監督ばっかりやるとか、そういうことではなくて。全部表現は一緒だと思っているし。映画を10回観て貰うのと、歌を10回聴いて貰うのと、やっぱり歌を聴いた方が、同じ言葉を何回も聴けるじゃないですか。ライトなメッセージを10回聴くのと、重いメッセージを1回伝えるので、それぞれに同じくらい伝わるものがあって。歌だったら1日に何回聴いてもいい。今回、同じ時期に歌も出させて頂くんですが、それは同じようなメッセージをライトに伝えるのが歌で、1年に一回でいいという重いメッセージを伝えるのが映画かなと思っていて。それと日頃のメッセージを伝えるお芝居と。「あいつ芝居ダメだから歌行ったのか」とか、「歌もダメで今度は監督かよ」とか、そう言われるのは悔しいので、進みは遅くても、全部しっかりやっていきたいなと思っています。

――最後に、映画を心待ちにしているファンの方々にメッセージをお願いします。

浪川:正直、怖いんですが…一生懸命作ったことは間違いないですし、誰でも感じられるようなことをメッセージにしているつもりですので、一回とは言わず何度か観て頂いて、少しでも皆さんの心が動いたり、何かに挑戦する気持ちになって貰えたら、本当に幸せだなと思って作っております。ですので、是非、皆さんからそういったご報告が頂けたら嬉しいなと思っています。
撮影中、よく宮野君が「声優の底力を見せてやりたい」と言っていたんですが、本当にその通りで、画面にそのパワーが出ていると思いますし、後はこの作品を観てくれた皆さんがどう育ててくれるかはお任せしますので、似るなり焼くなり好きにして頂ければ…(笑)。宜しくお願い致します。

――ありがとうございました!

 

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2010/5/28 SCOOP MUSIC

 

浪川大輔監督映画「Wonderful World」公式サイト
http://www.wild-strawberry.com/movie/wonderful/index.html

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