【株式フジ】今回の買い戻しによる急上昇は限定的 「市場の中心」「物色の変化」の見極め重要

 日経平均株価が年初来高値を更新しています。「北朝鮮リスク」にさらされ、内閣支持率低下が懸念された時期があったものの、株価は今が一番高いのです。まずはこれを素直に喜びたいと思います。個人投資家にとってはもちろん、株式投資をしていない人にとっても株価が上昇することはいいことです。株価は高くて困ることはないのです。

 ちなみに、今回の上昇について「衆議院早期解散報道が好感された」と説明されることが多いのですが、実際はそれ以前から上昇をし始めています。直近の北朝鮮リスクによって売りポジションが増えたこと、それが一気に買い戻されたという市場内部の需給要因が本質です。今年3~4月の北朝鮮リスク時にも同様のことがありました。当時、1万9000円~1万9500円で推移していた日経平均は1万8000円近辺まで下落したものの、リスクの落ち着きに伴う買い戻しによって、1万9500円~2万円まで水準を切り上げた経緯があります。ただ、今回の下げ幅は約700円ですので、その分、買い戻しによる急上昇は限定的だとみています。ここからは銘柄選択がさらに重要になっていくことでしょう。「市場の中心」に何が位置しているのか? 「物色の変化」はどこに表れているのか? という視点を持ちたいです。

 「市場の中心」は連日売買代金トップのゲーム界の巨人「任天堂(7974)」で間違いないでしょう。当欄でも過去に何度も取り上げていますが、株価はついに4万円を超えてきました。「物色の変化」についてはまだ言い切ることができないものの「金融株」にそれが表れ始めているようです。金融株の中心となるのはメガバンク株ですが、このところは軟調な動きを続けていました。ここにきて米金利の底打ちなど支援材料が出てくる中で、他セクターに比べ割安感が際立っています。「三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)」は出直りの動きになりそうと期待しています。このほか、好業績の中小型株には引き続き物色が向かいそうです。省力・自動機械の大手企業「CKD(6407)」は半導体向け流体機器がフル操業を続けるなど絶好調を継続しています。圧延、加工、化成品までを手掛けるアルミ総合メーカー「日本軽金属ホールディングス(5703)」はトラック架装が高水準、液晶・半導体向け厚板も続伸する中、6月末からほぼ一本調子の株価上昇を続けています。(株式ジャーナリスト・天海源一郎)

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