東芝、半導体売っても地獄 すったもんだで結局「日米韓連合」、WDが工場の投資差し止め申し立て

半導体の売却先を決めても先行き青信号とはなりそうもない東芝

 二転三転の末、半導体子会社の東芝メモリを、米ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に売却することを決めた東芝。爪はじきにされた協業相手の米ウエスタン・デジタル(WD)は早速、対抗手段に打って出た。虎の子の事業を売った後の東芝本体の先行きも厳しい。

 WDは20日、東芝と共同投資する三重県四日市市の半導体工場で建設中の第6棟に、東芝が単独で投資するのは契約違反に当たるとし、差し止めを求めて国際商業会議所(ICC、本部パリ)の国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てたと発表した。WDは5月にも東芝メモリ売却中止を求めてICCに仲裁を申し立てた。

 日米韓連合にはベインや韓国半導体大手SKハイニックスや、アップル、デルなど米IT大手4社が優先株で参画、東芝メモリは東芝の持ち分法適用会社になる。譲渡価格は約2兆円で、約4000億円の設備投資資金を含め総額約2兆4000億円になる見込み。

 来年3月末までに売却を完了して債務超過を解消するシナリオだが、関係各国の独禁法審査やWDとの法廷闘争がネックとなる。

 また、米企業と20年にわたり引き取る契約を結んだ液化天然ガス(LNG)に関しては、原油安で納入先探しが難航、最大1兆円の損失が生じる恐れが指摘されている。

 1875年に創業し、冷蔵庫や洗濯機、掃除機など国産第1号の家電製品を次々と世に出してきた東芝だが、白物家電事業は中国企業の傘下に入り、医療機器事業も手放した。東芝メモリがグループを離れた場合、2019年度の連結売上高は4兆2000億円と、ピークだった07年度の5割強に縮む見込みで、総合電機で万年3位と呼ばれた三菱電機を下回る。

 社員の引き抜きや退職も相次いでいるとみられ、6月末の連結従業員は約15万2000人と3月末から1000人以上減った。