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日銀、どん詰まりの異次元緩和 打開策は「日本版ヘリマネ」 (1/2ページ)

 黒田東彦(はるひこ)日銀総裁は、7月末の金融政策決定会合で国債購入拡大を見送ったが、真因は、異次元緩和の行き詰まりにある。国債購入幅を広げたところで、金融機関に追加投入される日銀資金が消費や投資に回るわけではなく、需要不足で景気も物価も停滞する。

 日銀は今後、9月下旬の決定会合に向けて、これまでの政策効果を包括的に検証するが、財政・金融の組み合わせによる「日本版ヘリコプター・マネー(ヘリマネ)」導入は不可避だ。

 異次元緩和は、日銀が刷るカネで民間金融機関から国債を大量購入して、国債相場を引き上げて長期金利を押し下げる。金利が低下して、円安となり、株価と景気が上向くというシナリオだった。もくろみは2013年度には当たったが、14年度は消費税増税のために需要は冷え込み、デフレ圧力が再燃し、日銀マジックは効力が消えた。

 異次元緩和の柱である国債購入プログラム自体、限界が見えている。グラフは日銀がこのまま年間80兆円ずつ国債を追加購入し、民間金融機関が最近のペースで国債を売却し、政府の国債新規発行が35兆円で推移すると仮定した場合、18年度には日銀が民間から買える国債が底を突くことを示す。

 日本列島は今、札束の山に埋もれ沈みかけている。日銀は年間80兆円もカネを刷って金融機関に流し込んでいるのに、銀行は日銀当座預金に300兆円以上も留め置いている。日銀が当座預金新規分について利子を徴収するマイナス金利を2月に導入したが、銀行は6月までに日銀当座預金をさらに40兆円も増やした。このうちマイナス金利適用分までも3・4兆円増えた。対照的に、銀行貸出増加額は6600億円にとどまる。

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