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【介護離職に備えよ】「使いづらい介護休暇」と「介護保険の落とし穴」 (1/2ページ)

 「介護離職」は、ひとごとではないことを、40-50代の「オヤノコト」世代のケーススタディーを通して見てきた。そうした社員たちを支援する介護休業や介護休暇制度は法で定められたものであり、企業は積極的に行わなければならない。

 しかし実際には、介護休業や介護休暇の制度を利用して休暇や時短勤務を繰り返していると社内の雰囲気が悪くなり、最終的に会社を辞めざるを得ないケースが多いことは、すでにお伝えした通りである。

 外資系の医療機器メーカーに勤めるDさん(40代)は、83歳の母親が和歌山県で一人暮らしをしており、近所に住む弟夫婦が1日1回は見守りを兼ねて訪ねている。Dさん自身も月に1回は帰省して母親の様子をみていたが、母親が自宅の居間で転んで骨折したため症状が一気に悪化、要介護5の認定を受けることになってしまった。

 弟夫婦だけに任せるわけにもいかず、有給休暇などを使いながら頻繁に帰省するようにしたが、数日休んで会社に出るとメールはたまり、部下とのコミュニケーションにも齟齬が出始めた。Dさんを気遣って仕事をフォローしてくれる部下に、申し訳ない気持ちも感じるようになった。

 悩んだ末、Dさんは会社を辞め、今は和歌山と東京を行き来して介護を弟夫婦と分担する生活を送っている。ただ、会社の人事部に退職理由を説明した際、「それじゃ仕方ないね、ウチで仕事を続けるのは無理だね」と予想外の冷たい対応を受けたことには怒りを覚えたという。

 実はDさんは会社を辞める決断をするまで、介護休業や介護休暇は一切使わなかったという。「制度があることは知っていたが、詳しくわからなかったし、いざとなれば介護保険で何とかなるだろう」と軽く考えていたそうだ。

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