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【田村秀男 お金は知っている】米大統領選を機に対中強硬で日米協調を 元の国際通貨化で不動産爆買い加速の懸念も (1/2ページ)

 米大統領選で、民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補による第2回討論会で、筆者が注目したのは両候補とも中国に対する強硬姿勢で共通した点だ。日本はいずれの候補が当選しようとも、オバマ政権の対中軟弱路線を修正させるチャンスにしたい。

 大統領選討論会と同時期にワシントンで開かれた国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会では世界経済を脅かすチャイナリスクが素通り。急速な中国の信用膨張はIMFや国際決済銀行(BIS)が調査リポートでは取り上げているが、国際会議で公にはしたくない。10月1日には人民元がIMF特別引き出し権(SDR)入りしたのだが、その条件としてきた金融市場の自由化・開放や元の変動相場制への移行約束履行要求も出ずじまいだ。

 中国での金融利権や人民元の国際決済での権益に目がくらんだ欧州や米国が物を申さない。日本の財務官僚はひたすら米欧に追随するという事なかれ主義だ。

 筆者が懸念するのは、習近平政権が国際通貨人民元を武器にやすやすとアジアや中東、アフリカなどを舞台に対外膨張戦略を加速させることだ。安倍晋三首相は先のアフリカ訪問を含め、各地で積極平和攻勢をかけ、対中包囲網を作り上げようとしているのだが、首相を支えるはずの金融エリートたちには危機感もなく、弛緩(しかん)し切っている。

 習政権はIMFによる昨年11月のSDR入り承認以来、元建て国際決済を急速な勢いで推進してきた(グラフ)。特に、中国からの人民元建て対外直接投資は前年比3・4倍という急増ぶりだ。

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