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【介護離職に備えよ】「負担増」へ加速する公的制度 サービス水準は下がり…「介護離職ゼロ」は至難の業 (1/2ページ)

 介護離職対策のためにまずやるべきことは、自社の制度について調べておくことだ。だが、高齢の親を抱える40-50代の人で、自社の制度はもとより、公的介護保険制度の中身を理解している人は少ない。1割または2割の負担(収入により異なる)で、介護サービスや福祉用具のレンタルサービスが受けられるということを何となく知っているくらいだろうか。

 だが、現実は急激に変化している。2015年8月に介護サービスの自己負担割合の見直しが行われ、実質的な所得が280万円以上ある65歳以上の高齢者の自己負担は1割から2割に引き上げられた。

 その負担増からまだ2年もたっていないにもかかわらず、この2月に政府が国会に提出した介護保険法改正案には、「年金などの年収が344万円以上の人は自己負担を3割に引き上げる」ことが盛り込まれている。これが成立すれば一部の高齢者は自己負担が3割になるのだ。

 2000年にスタートした公的介護保険制度は当時、原則として1割の自己負担で介護サービスを受けられる制度だった。その後、介護費用の増加により、制度スタート時に約3・2兆円だった介護保険の給付費は、14年には8・9兆円となっている。そして25年にはなんと、25兆円にも膨れ上がると推定されている。

 安倍政権はアベノミクス新3本の矢で「介護離職ゼロ」を掲げているが、残念ながらその具体的な対策は見えてこない。まさか「育児・介護休業法」の改正だけで達成できるとは到底思っていないだろう。

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