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東芝が中国系拒否「何らかのご指導あるかも」 半導体分社で産革機構案浮上の舞台裏 (1/3ページ)

 経営再建中の東芝が半導体事業を分社して設立する新会社について、中国系のファンドや企業からの出資提案を断っていることが16日、分かった。半導体の先端技術が中国に流出することを懸念する政府に配慮する。一方、官民ファンドの産業革新機構が新会社に一部出資する案も浮上している。

 東芝は半導体新会社の株式の完全売却も視野に、出資を募る入札の手続きを始めている。3月末に1次入札を締め切り、5月をめどに売却先を絞り込む考え。

 入札に関心を示した企業には、売却条件や入札日程などを説明した資料を送付している。積極的なM&A(企業の合併・買収)で事業を拡大する中国政府系の半導体大手、紫光集団も入札に意欲を示したようだが、東芝幹部は「中国系はお断りしている」と明かす。

 背景には、半導体技術が中国に流出して軍事産業などに流用されるなど安全保障上の懸念が生じることに、政府が警戒感を強めていることがある。「仮に中国のお金を使うとすると何らかのご指導があるかもしれない」と東芝幹部は話す。

 現段階で入札に関心を示すのは、台湾の半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)や鴻海(ホンハイ)精密工業、韓国のSKハイニックス、米ウエスタンデジタルなどの半導体大手、欧米の投資ファンドなど米韓台の10社程度とみられ、日本勢は見当たらない。

 こうした中、国内に技術を残すべきだとして浮上するのが産革機構の出資案だ。買収には1兆円超の資金が必要なため、ファンドや企業と組んでの一部の出資が想定されるが、官民ファンドによる救済色の強い出資には慎重な意見もある。

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