記事詳細

【田村秀男 お金は知っている】日本を中国と同列視するメディアの「バカの壁」 政経分離路線だった従来の通商政策とは次元が違う (1/2ページ)

 トランプ米大統領は先月末に通商に関する大統領令に署名した。各紙は、「赤字削減へ日中に圧力」(1日付日経新聞夕刊)、「赤字削減へ大統領令署名」(2日付朝日新聞朝刊)などと、「貿易赤字削減」が狙いだと報じている。

 とすれば、日本も中国と同様の米貿易赤字の元凶とされ、トランプ政権に叩かれるとの解釈になってしまう。これでは、日米貿易摩擦が激しかった20年以上前への逆戻りだ。

 ミスリードもはなはだしい。「鎖国」している日本が米国によって叩かれる、という自虐思考による「バカの壁」だ。

 かの大統領令を読んでみるといい。筆者がワシントン特派員だった1980年代と違い、ワシントンにいなくても、ホワイトハウスのホームページに公開されているから便利なものだ。

 タイトルは「著しい貿易赤字に関する包括的報告」とあるが、冒頭で「自由かつ公正な貿易は国家の繁栄、安全保障及び外交に不可欠だ」と強調。相手国との通商関係が製造業及び防衛産業に及ぼす影響や、国家安全保障の妨げになる貿易慣行を突き止める-と述べている。

 トランプ政権が貿易赤字を重大視しているのは事実だが、貿易を軍事、外交とからめてとらえる。つまり通商・安全保障のリンケージ(連係)によって相手国と厳しい交渉を行うというのだ。政経分離路線だった従来の政権の通商政策とは次元が違うぞ、とトランプ氏は言っているようなものだ。なのに、各紙のワシントン特派員たちはそれを無視して「さあ大変だ、日本も中国も同じ俎上に乗せられる」と騒いでいる。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう