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東芝の事業継続に「重要疑義」 東芝メモリ事業出資 「日本連合」案に疑問の声も

 ■監査法人、巨額損など懸念

 経営再建中の東芝は11日、2度延期した2016年4~12月期連結決算を発表した。3度目の延期を回避するため、決算は適正との監査意見を得られないまま異例の開示に踏み切ったが、監査法人は、米原発事業の巨額損失などを理由に、東芝の事業継続に「重要な疑義」があると表明した。

 16年4~12月期決算は最終損益が5325億円の赤字で、2月に発表した4999億円の赤字見通しから悪化した。昨年末時点で負債が資産を上回る債務超過の額は2256億円だった。綱川智社長は記者会見で、監査法人の適正意見が付かないまま決算を発表したことについて「株主の皆さまに大変なご迷惑、ご心配をお掛けしており、心からおわび申し上げる」と謝罪した。

 ■東芝メモリ事業出資 「日本連合」案に疑問の声も

 東芝が売却手続きを進める半導体新会社「東芝メモリ」に対し、経済産業省や経済界の呼びかけで日本企業連合が共同出資する構想が暗礁に乗り上げている。世耕弘成経済産業相は11日の記者会見で「入札の間に入ることは基本的にあり得ない」と否定。経済界からも懐疑的な声が相次いだ。

 世耕氏は東芝メモリへの出資について、「投資に価値があるか、株主に説明がつくかで個々に企業が判断することだ」と説明する。

 また、東芝社外取締役を務める経済同友会の小林喜光代表幹事も同日の記者会見で「過去にはあった話だが非常に難しい」と指摘。経団連の榊原定征会長や日本商工会議所の三村明夫会頭も否定的な見方を示す。

 スマートフォンの記録媒体などに使われる東芝のフラッシュメモリーは一部で軍事転用が可能。中国などへの技術流出を防ぐため、政府内では日米で企業連合を組む構想があり、経産省が水面下で打診していた。

 ただ、3月の入札には日本企業が参加せず、中核になる企業が見つからない。東芝の半導体を使う複数社がそれぞれ100億円前後を負担する“奉加帳方式”も浮上したが、「(買収に必要な)兆円規模の投資を集めるのは難しい」(金融筋)と指摘されている。

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