記事詳細

大前研一氏「東芝を傍観しているしかないのは残念至極である」 (1/3ページ)

 東芝や日本郵政など、名だたる日本企業が海外企業のM&Aに失敗して巨額な赤字に見舞われている。東芝などは、それをきっかけに経営危機に陥らされた。経営コンサルタントの大前研一氏が、日本企業がM&Aになぜ失敗するのかについて、具体例を交えながら解説する。

* * *

 日本企業の海外M&A(合併・買収)は、たいがいデューデリジェンス(※)が甘くなる。デューデリは、会計監査事務所、年金調査会社、特許事務所、弁護士などのチームを作り、普通は4~6週間かけて実施する。だが、その内容は非常に専門的なので、それをきちんと理解・対処できる社長は極めて少ない。

 【※デューデリジェンス/事前に投資対象企業の財務状況や収益性などを精査して資産価値を査定すること】

 さらに、海外M&Aで失敗した日本企業の場合、買収相手本体ではなく、その子会社や孫会社が“爆弾”を抱えていた事例が多い。

 たとえば、アメリカの原発会社ウェスチングハウス(WH)を約6300億円で買収した東芝は、WHのデューデリはやっていたが、WH経営破綻の原因となった同社傘下(つまり東芝の孫会社)の原発建設会社ストーン・アンド・ウェブスター(S&W)のデューデリまではやっていなかった。

 企業を売却しようとする時には、デューデリで好業績に見せかけて高値で売り抜けるために、数年かけて“ドレスアップ”をするケースも少なくない。その手口は、ドレスアップ専門の経営者を送り込んで、研究開発費や広告宣伝費を削り、給料が高い優秀な社員をクビにしてコストを削減する。投資はせずに安売りなどで売上高を嵩上げし、無理矢理、利益を出す。

NEWSポストセブン
zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース