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東芝メモリ売却、“官製連合”で大丈夫? 鈍い経営判断、交渉成立も東芝再建難航 (1/3ページ)

 ■東芝、技術流出に危機感 雇用も維持「総合的な判断」

 東芝が、産業革新機構を軸とする「日米韓連合」に東芝メモリ買収の優先交渉権を与えた背景には、半導体技術が国外に流出することへの強い危機感がある。経済産業省は、日本側が主導権を確保し、技術流出を防ぐため、自ら陣営作りに奔走。提示額はライバルを下回ったが、少しでも高値で売りたい東芝も、国内雇用を維持できることと合わせて「総合的な判断」(同社)に傾いた。(井田通人)

 ◆経産相も評価

 「技術流出の防止や雇用の確保、産業革新の観点から一定の条件を満たしている」。世耕弘成経済産業相は21日、東芝の決定をこう評価した。東芝メモリが手掛ける記憶用半導体「フラッシュメモリー」は、データセンターやスマートフォンの情報保存に使われる。その技術は日本の半導体産業を支えるだけでなく、軍事転用の恐れがある。世耕経産相は「懸念があれば躊躇(ちゅうちょ)なく発動する」と、安全保障にかかわる技術流出を規制する外国為替及び外国貿易法(外為法)の適用にたびたび言及。首相官邸も売却の行方に深い関心を寄せ、日本側が主導権を守れるよう経産省を後押しした。

 しかし、半導体大手の米ブロードコムや台湾鴻海(ホンハイ)精密工業といったライバルに比べ陣営作りは遅れた。革新機構と日本政策投資銀行は、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と連合を組んだが、提示額は1・8兆円と3兆円近い鴻海、約2・2兆円のブロードコムに差をつけられた。並行して経団連が日本企業に出資を呼びかけたものの、応じる動きは広がらなかった。

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