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金利上昇で不動産の下落始まる 都心では「天井」に達した市場価格 (1/2ページ)

 職業柄、人から一番よく聞かれることは「マンションの価格はいつになったら下がりますか」ということだ。

 下がったら買おうという人と、下がる前に売ろうとする人の両方から同じことを聞かれる。

 答えはいつも同じ。

 「いつ下がってもおかしくはありません。何かきっかけがあればすぐにも下がり始めます。きっかけがなくても、金利が上がれば下がり始めます」

 多くの人は気づいていないが、東京や大阪、名古屋などの大都市圏の不動産は、今や金融商品化している。マンションもその一部と言える。

 どういうことかというと、市場価格が運用利回りに基づいて決まっているのだ。

 例えば、業界内で「利回り物件」と呼ばれるカテゴリーがある。1億円程度から10億円までの1棟もののアパートやマンション、ビルなどだ。主に個人の投資家が売買し、賃貸で回して金利のように運用益を稼ぐことを目的としている。

 この「利回り物件」の利回りが、東京近辺では5%前後にまで落ちてきている。実はこの5%には、深い意味がある。

 個人投資家が不動産を購入する場合、ほとんどが銀行融資に頼る。この融資金利は物件内容や借り手の属性によるが、おおよそ2%弱。これを20年で返済すると仮定した場合、家賃収入との兼ね合いでキャッシュフローがある程度プラスになるギリギリのラインが5%なのだ。したがって、個人の不動産投資家は利回りが5%未満の物件には手が出せない。

 一方、金利はこれ以下には下がりようがない水準にある。将来、個人投資家は今より安い金利で融資を得られる可能性はほとんどない。

 つまり、利回り物件の市場価格は今よりも上がりようがないところまで上がってしまった、ということだ。

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