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【「01」発想講座】AI採用企業でどう働くか 覆面面接官が突きつけた質問「ピコ太郎をどう思いますか?」のウラ (2/2ページ)

 「私にはその才能がないと思いますので…」と答えた若者がいた。そこで、「才能がないから仕方なく会社に入ろうと思ってここを希望したの?」と手厳しいことを突きつけてみた。最近流行の圧迫面接だ。わざとムカつくことを投げかけて本人の対応を見る手法だ。

 彼は「会社でしかできないこともあるかと思いまして…」と返してきた。

 「会社にしかできないことって何?」と聞くと、「それはスケールメリットです」と言うので、「個人でも、何かをやろうと思えばネットを使って世界に発信することはできる。それをやれない人間が組織の中に入ったとして、一体何ができるんだね?」とツッコミを入れた。

 「現在の業務は多岐に渡り、スピードが要求されます。合理的に処理して時代の変化についていけることが企業の重要な課題だと思います」

 優等生的答えだが、「その業務はこれから人工知能がやるんだよ。だとしたら、君はその中で何ができるのかな?」と質問したら、さすがに黙ってしまった。

 もちろん、そこで突き放すのは彼のためにならない。そこで次のように解説してあげた。

 「AIは複雑で面倒くさい業務を24時間365日不休で処理し、即座に正確に回答してくれる。ある程度の予測をして提案することもできる。その提案の中から意思決定するのは人間だ。人間がやるべきことは5W1Hの中の『What』、つまり明日から何をするかを考えることだよ。今までにない新しいことで、人々に喜んでもらい気持ちを豊かにする仕事を考え出すことだ。AIはコンピューターと電気と通信ネットワークが必要だが、人間しかできないことは君の身ひとつでできる。そうは思わないかね?」

 「わかりました、自分が自立することを考えてみます」と彼は言い、面接会場を立ち去ろうとした。「まぁ、そう言わずに、AIを使いこなす人間になって当社で働いてみないか」と押しとどめ、採用シートには「採用」の花丸を付けた。(久保田達也)

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