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【最強!!バフェット流投資術】地元密着型ニュースの重要性 地方自治体から“ゼロ円”で広報誌請け負う「サイネックス」

 かなり前だが、バフェットが地方紙を約60紙まとめて買収したことが話題になったことがある。なぜかといえば、過去バフェット帝国を築くのに大きく貢献してきたワシントン・ポストやバッファロー・ニュースなどの新聞メディアの将来について、インターネットが普及して以来、ネガティブな見方をしてきたバフェットが、新たに新聞社を買収したからである。

 日本よりも米国のほうが、はるかに紙メディアの衰退が激しいのだが、メディアビジネスを常に注視しているバフェットは、成熟期に入っているインターネットの時代でも、地方独自の情報ニーズは決して無くならないと判断したのである。

 ワシントン・ポストはもちろん、バッファロー・ニューズもピュリツァー賞を受賞したことのある名門だが、バフェットは、記事はもちろんだが「広告にこそ貴重な情報がある」と主張する。例えば3行広告のような隅っこにこそ、本当に生きた情報があるというわけである。

 インターネットビジネスは「一強多弱」と言われる。グーグルやアマゾンのように強大な企業が市場を占有し、そのおこぼれを小さな企業群が少しずつ分け合うというのである。確かに、それは正しいかもしれないが、「多弱」の中にもビジネスチャンスがあるとの判断である。例えば、世界規模・全国規模の情報ならグーグル・ヤフーで検索するのが便利だが、「東京都八王子市に新規スーパー出店」というような情報は、地元密着メディアの方が都合が良いし、広告主もそのようなメディアに出稿したいはずだ。

 サイネックス(2376)は、地元密着型の電話帳事業が祖業だが、地方自治体の広報誌の製作請負にまで業務範囲を広げている。地方自治体はただで広報誌を制作することができ、同社は広告収入を得るというビジネスモデルだ。人間の生活圏というのは思いのほか狭いものであり、その中心となる地方自治体から「ゼロ円」で広報誌を請け負う同社の手法は優れている。(国際投資アナリスト・大原浩)=敬称略

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