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【榊淳司 マンション業界の秘密】高層階は「成功の証し」 階層ヒエラルキーが生む悲喜劇「低層階の人たちは…」 (2/2ページ)

 低層階で下りのエレベーターに乗り込む時に高層階から乗っている人から冷たい視線を浴びるというのはよく聞く話。朝の混み合っている時間ならなおさらだろう。

 湾岸のタワマンに住むのは見えっ張りな人々…これは私の主張ではない。とある財閥系大手のマンションデベロッパーが作成した広告代理店向けの資料に書かれていたこと。だから「ターゲットの見えをくすぐるような広告表現を提案しろ」という意図なのである。

 見えっ張りな人が集まって住んでいる限り、階層ヒエラルキーは必ず発生するだろう。そこから生まれる悲喜劇は今日もどこかで繰り返されているはずだ。

 タワマンを、人生の忙しい時期を過ごす必要悪な住居と思えば、ヒエラルキー意識は希薄化する。住民同士、お互いが仮住まいなのだから、妙な対抗意識を燃やさないで済む。

 リタイアの時期になれば、低層の落ち着いた住まいに引っ越せばいい。その方がかなり健康的だ。急に具合が悪くなって救急車を呼んでも、救急隊員が駆け付けるまでの時間、搬出して病院に到着するまでの時間も低層住宅の方が短くて済む。必然的に生還率も高くなる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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