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【榊淳司 マンション業界の秘密】市場は「五輪後」見据えた展開へ 湾岸エリアは中国人富裕層が逃げ出す事態!? (2/2ページ)

 不思議だった。「普通の日本人なら買わないだろう」と思える住環境。さぞ購入者に占める中国人比率が高いのだろうと予想していたところ、案の定、「上海まで売りにきていた」という話を後から聞いた。モデルルームでは販売員が「外国人比率は11%台です」と説明していたというが、本当にそうだったのか、とても信じられない。

 ともあれ、16年の半ばまでは中国人も割合、勢いよく東京の不動産を買っていた。特に埋め立て地のタワマン販売現場では、そのプレゼンスが際立っていた。

 今はそれが見られない。そのように買われた物件が中古市場で相当数売り出されている様子さえうかがえる。

 東京の中古マンション市場を眺めていると、とても「五輪までは上がり続ける」とは考えにくい。「将来値上がりする」という投機的な思惑で買われたマンションの中古価格が、本来の実力値にまで値下がりする暴落は、五輪後まで待ってくれるだろうか。

 誰もが「将来は値下がりする」と思うようになると、手持ちの株や不動産でも「売れるものは売る」という姿勢に変わる。すでに16年の後半から、そのような現象が一部でみられる。

 中古マンションの流通市場では五輪後を見据えた展開が始まりだしているのかもしれない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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