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【図解で分かる「決算書」の仕組み】逆風を見事に跳ねのけ…アジア市場中心に売上高増加、高品質のベビー用品メーカー「ピジョン」

 本日は、ベビー用品メーカー大手のピジョンをピックアップする。少子高齢化が進む中、同社の実態はどうなっているのか。2017年2月-7月期(上期)の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合が75%である。安全性については全く問題ないだろう。過去の利益の蓄積である利益剰余金が多額に積み上がっている。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率が約19%、純利益率が約13%であり、収益性も高い。前年同期と比べても売上高が6%近くの増加、営業利益も約2割の増加となった。業績向上の牽引(けんいん)役は中国をはじめとしたアジア市場だ。高品質な同社のベビー用品が、ネット販売を中心にアジア圏の子育て世代に受け入れられ、訪日外国人への販売も伸びている。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fが大きくプラスで、かつ、投資C/Fのマイナスが少ないため、その差額であるフリー・キャッシュ・フローは多額となっている。

 出生数が年々減少しているため、経営環境としては逆風である。しかしながら、独自の開発力と販路開拓で、その逆風を見事に跳ねのけている。今後も同社に期待したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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