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【榊淳司 マンション業界の秘密】修繕コストの高いタワマン、メンテナンス面で大きなハンディキャップ 湾岸エリアは外壁劣化も早い (1/2ページ)

 2年半ほど前、東京の湾岸エリアにある54階建てのタワーマンションで、管理組合が大規模修繕の見積もりを依頼したゼネコン5社が、見積もり自体を辞退する出来事があった。工事規模は当初20億円が想定されていたという。

 見積もりを辞退した理由は分からない。しかし、営利企業が約20億円の売り上げを得る機会を拒むということは、相当な理由があるのだろう。

 結局、その工事はこのマンションを施工した準大手のゼネコンが17・5億円で受注したらしい。現在は大規模修繕工事中ということだ。

 ところが、54階のタワマンともなると、大規模修繕工事に3年程度の期間を要する。そもそも建設するためには3年もかかっていないはず。なぜ、修繕工事にそれほどの時間がかかるのか。

 タワマンは、柱と梁、そして床スラブ(コンクリートの床板)以外は、プレキャスト(工場で作られたコンクリート製品)の建材を組み立てて建築する。外壁はほぼALC(軽量気泡コンクリート)パネル。これをサッシュ(窓枠)などとともに組み立てていく。住戸間の壁も乾式壁をはめ込むだけ。

 だから外壁や戸境壁にコンクリートを流し込む通常の板状マンションに比べて建設期間は2倍程度速い。1カ月で2層分は作れてしまう。

 しかし、外壁の修繕となると足場が組めないので、屋上からクレーンで足場やゴンドラをつるすことになる。

 強風の日は危険で作業ができない。ゴンドラや足場が1層1層順番に移動していくので、1層の修繕工事を行うのに約1カ月かかる。建築期間の2倍の速度だ。

 大規模修繕の費用も、板状型のマンションなら1戸当たり100万円が目安だが、タワマンの場合は250万円前後。板状型の約2・5倍になる。

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