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【こんな時代のヒット力】孫娘のツイートが拡散、学生から話題に 呆然とする大人を尻目に大ヒットの中村印刷所『水平開きノート』 (1/2ページ)

 女子学生が発信した一通のツイートが起こした奇跡がある。場所は東京都北区。ここで、家族4人で営む(有)中村印刷所。同社は、ノートの真ん中が膨らまない『水平開きノート』を開発したが、売れずに大量の在庫を抱えていた。社長、中村輝雄氏(73)は廃業も考えた。

 ところが昨年元日、同社のHPのアクセスが、突然、10万に増えた。「ノートはどこへ行ったら買えますか」と、問い合わせの電話が殺到。FAX、メールも手いっぱいになる。

 「経験したことがなく、怖くなった。誰かの悪いいたずらだと思った」(中村氏)

 慌てて電話、PCを元から切った。店との連絡がつかないため、直接訪ねる人が現れる。それも一人二人ではない。カーテンを引き、電気を消して居留守を決め込んだ。

 原因は80歳になる職人の孫だった。ノートが売れず困っているのを知り、「うちのおじいちゃんのノート、費用がないから宣伝できない」とツイートした。それが拡散し、大反響となったのだ。

 同社は創業80年。伝票、名刺、封筒を印刷してきた。しかし、バブル崩壊後、印刷需要の減少。さらに紙媒体が電子媒体に代わる流れが、経営悪化に拍車をかけた。起死回生策で、オリジナル商品を開発する方針を打ち出した。それが、このノートだった。

 中国人の爆買いをアテにスタンプ帳を作るものの失敗。印刷業は取引先からの受注生産が中心。新規開拓の営業をしたことがなく、置いてくれる場所もなかった。

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