記事詳細

【高齢時代に挑む】高価格でも売れる「極寒に耐える肌着」 本当に寒さに困っている人へ、すべての工程でこだわった『健繊』

 通販やテレビショッピングなどで使われている広告写真。

 白い雪山を背景に日焼けした男性陣が真っ白の肌着一枚という姿でほほ笑む。

 「エベレスト中腹、気温はマイナス30度まで下がる地の写真です。圧倒的な保温力を強調しました」

 こう語るのはインナーウエアメーカー「健繊(けんせん)」の今井太志営業部長だ。

 「当社の『ひだまり肌着』は、本当に寒さに困っている人のための肌着というコンセプトで作りました。素材、編立、縫製とすべての工程でこだわり過ぎたため実は非常に原価が高くなっています。他社と比べて価格は高くてもその分商品力は圧倒的と自負しています」(今井さん)

 健繊は肌着を作り続けて40年の老舗会社。肌着が高齢者向けのもの、ババシャツといわれた時代から肌着専門に製造し続けてきた。その後インナーウエア市場はヒートテックなどで爆発的に拡大、大手衣料品メーカーの参入で競争は激化している。

 「高級なだけでは長くは売れません。顧客満足を超え、感謝していただくことで初めてロングセラーになります。年をとって眠りが浅くなったが久しぶりに熟睡することができた、寒い日にもトイレが近くないなど寒さに困っていた方からの感謝の声が、商品づくりの励みになっています」(今井さん)

 「ひだまり肌着」は他社の商品よりやや厚手だが、極寒地では重ね着する必要がない分薄着で過ごせる。お年寄りだけでなく大工、漁師、警察官など冬場でも屋外作業に従事する人、スキー、釣りなどのレジャーを楽しむ人に愛用されている。

 「実際にご使用いただいている方の声を集め、改善改良を続けています。通信販売が多いため直接お客さまの声を集める努力が必要です。銀座コアビルにある直営店『ひだまり本舗』がお客さまの声を集めるアンテナショップです」

 今井さんはこう語る。

 肌着は気に入れば替えが必要だから一人で数枚必要になる。さらに家族や知り合いへと口コミで評判は広がる。

 「極寒に耐える肌着」という発信力は、高齢時代に大きく響きそうだ。

 ■西村晃 1956年生まれ。NHK、テレビ東京を経て経済評論家。座長を務める「GS世代研究会」には350を超える企業・自治体が集う。「GS世代攻略術」「GS世代白書」など著書多数。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう