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【田村秀男 お金は知っている】日本の自滅シナリオを争点にしたがる愚か者 増税と緊縮財政に耐えられるのか (2/2ページ)

 百歩譲って、財務官僚のもくろみ通り、増税と緊縮財政に現下の日本経済は堪えられるのか。

 グラフは日銀が先日発表した短期経済観測(短観)と国内総生産(GDP)動向の推移である。短観のDIとは、大企業製造業の景気がよいとする割合から悪いとする割合を差し引いた値で、急速に改善している。この景況感は輸出の急回復と連動している。

 家計消費は回復基調にあるが、いまだに弱々しい。企業のトップは輸出増を背景に景気がよくなっていると感じているだけで、消費動向には懸念を持っている。そんな景気は脆(もろ)い。円高に反転したり、世界景気が暗転すれば、景況は一挙に暗転する。家計消費はGDPの約6割を占めるのだが、2016年度は消費税率を8%に引き上げる前の水準より実質で4・6兆円も低い。消費税率は2%で5兆4000億円程度、家計の負担を増やすが、それによる税収を社会保障や教育・子育て支援に合わせて2兆円強を回しても3兆円の負担増だ。脱デフレは遠のき、円高を招く。財政収支は悪化する。

 日本の自滅シナリオを一部メディアが推奨しているのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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