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交通事故直後から積極的に治療するNASVA「一貫症例研究型委託病床」を日本で初めて藤田保健衛生大学病院が受託

学校法人藤田学園 藤田保健衛生大学病院は、交通事故直後から積極的な治療を行うNASVA「一貫症例研究型委託病床」を日本で初めて受託しました。

【交通事故被害者の現状】
近年、救急医療の進歩などで交通事故死者は減少していますが、交通事故で一命はとりとめたものの、重度の後遺障害に陥る患者は、全国で毎年1,800人ほどいます。
しかし、日本には交通事故の超急性期から慢性期まで一貫して治療できる施設はこれまでなく、患者は救急病院からは一般病院など3か月を目途に転々としています。また、症状固定後の遷延性意識障害患者の治療については、治癒を目的とした積極的治療ではなく、生命維持を目的とした治療が中心となっていました。

現在、自動車事故により脳損傷を生じた患者には、社会復帰の可能性を追求しながら適切な治療と看護を行う重度後遺障害者(遷延性意識障害)専門のNASVA療護センター(4か所)、療護センターに準じた治療と看護を行う療護施設機能委託病床(NASVA委託病床)(4か所)が日本で計8か所存在します。
ここでは、慢性期の遷延性意識障害患者を治療対象としていましたが、自動車事故直後の早期の受入れによって大きな治療改善効果がみられることがわかりました。

【初の設置「一貫症例研究型委託病床」】
そこで、今回新たな取組として事故直後から慢性期までの連続した治療・看護・リハビリについて臨床研究を行う「一貫症例研究型委託病床」が、「学校法人藤田学園 藤田保健衛生大学病院」に決定されました。平成30年1月頃に、入院患者の受入(病床は5床設置)を開始する予定です。
「一貫症例研究型委託病床」は、急性期以降の連続した入院受入態勢と十分な研究能力を有するものであり、亜急性期から慢性期へ移行した遷延性意識障害者を引き続き受け入れ、他の療護施設同様、適切な治療・看護をするものです。
自動車事故による頭部外傷患者が救命救急された後、急性期~亜急性期~慢性期において連続した治療を行い、臨床経過を詳しく観察することは、これまでほとんどなされていませんが、「一貫症例研究型委託病床」において、治療を通じて新たな視点から研究を行うことにより、

・遷延性意識障害からの脱却等の治療の検討・改善
・遷延性意識障害患者のための看護の検討・改善
・遷延性意識障害患者のためのリハビリの検討・改善

に係るガイドライン、プログラム等を策定することを目的としています。また、大学病院が受託することにより、受託先が進めるその他の研究が、上記研究と連携・融合することで、遷延性意識障害患者にとっても有益な成果に発展させていきます。さらに、遷延性意識障害患者に精通する医療人の育成にもつなげていきます。

【藤田保健衛生大学病院での設置の経緯】
藤田保健衛生大学病院は、救命救急センターをもち、一年間に約9,000件の救急車を受け入れており、低侵襲画像診断・治療センターには世界最先端の検査機器を備えています。(CT5台、MRI4台、PET-CT2台)
※CTについては治療核医学などを除く通常診断用
また16名の脳神経外科専門医、15名のリハビリテーション専門医、46名の認定看護師など圧倒的な専門的人材を抱えています。
これらのソフト、ハードの両面はNASVAの求める高い評価基準に適応しています。
救急車などで交通事故により来院し一命をとりとめた患者を引き続き、専門家集団にて積極的治療を行うことで、交通事故被害者とその家族への安心感や、地域医療への貢献となります。

【「意識障害治療回復センター」の同時開設】
今回、藤田保健衛生大学病院では「一貫症例研究型委託病床」とともに、交通事故被害者のみならず、そのほかの重度の後遺障害(遷延性意識障害)の患者も急性期から慢性期までワンストップに治療できる新しいセンターを藤田保健衛生大学病院3号棟8階フロアに「意識障害治療回復センター(10床)」として同時に設置いたします。
NASVA「一貫症例研究型委託病床(5床)」は、藤田保健衛生大学病院「意識障害治療回復センター」の一部施設となります。

■参考
<遷延性意識障害とは>
頭部の外傷や脳への血流の停止などが原因で、大脳の働きが失われて意識が戻らない状態のことをいいます(遷延性意識障害ともいう)。日本脳神経外科学会では遷延性意識障害を、自力で動けず、食べられず、失禁状態で、意味のある言葉をしゃべれず、意思の疎通ができず、目でものを認識できない、という状態が3ヶ月以上続く場合と定義しています。しかし、患者の認知の程度についての判断に、さまざまな解釈があるため、世界的な基準はいまだ確立されていません。

※独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)とは
NASVA(ナスバ)は、自賠責保険・共済の国の運用益 事業の主たる実施主体です。
名称 独立行政法人自動車事故対策機構
設立 平成15年10月(自動車事故対策センター昭和48年)
組織 本部(東京)
全国 50支所
療護施設:療護センター 4箇所・委託病床4箇所

NASVAでは、以下の3つの業務を一体的に実施しています。
・自動車事故を「防ぐ」安全指導業務
・自動車事故被害者を「支える」被害者援護業務
・自動車事故から「守る」安全情報提供業務(自動車アセスメント業務)

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