記事詳細

【図解で分かる「決算書」の仕組み】人気焼き鳥チェーン「鳥貴族」値上げに注目 営業利益、最終利益が上場以来初の減少

 本日は、人気焼き鳥チェーンの鳥貴族をピックアップする。3年前のジャスダック上場後、東証二部、東証一部と順調にステップアップしている同社であるが、直近の実態はどうなっているのか。2017年7月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は約40%ある。現預金を潤沢に抱えており、安全性については特段の懸念はないだろう。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。売上総利益率68%、営業利益率5%と、同業他社と比べると高水準であるが、その収益力に陰りが見えてきた。新規出店で売上高は増加が続いているものの、営業利益、最終利益は上場以来、初めて減少となった。天候不順による食材仕入価格の高騰や、人件費の増加などが主な減益要因である。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fがプラスで、その大半を使って新規出店などの投資C/Fに充てている。

 人手不足を背景に、人件費上昇は今後も避けられない。そのため、これまで全品280円(税抜)均一としていた価格設定を、今月より全品298円(同)均一に値上げした。これにより2018年7月期は増収増益を見込んでいる。同社の狙い通り推移するか、その動向に注目したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう