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【田村秀男 お金は知っている】ノーベル経済学賞理論によれば消費増税は「×」 教育・社会保障などで還元もデフレ継続に変わりない (1/2ページ)

 経済学は、人の心理というものを無視しがちである。今回、ノーベル経済学賞受賞が決まった米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授は経済学に心理学を取り込んだ行動経済学への貢献が評価された。

 たとえば株式市場は新たな情報を速やかに織り込んで株式の基本的価値を反映するというのが従来理論なのだが、現実にはそうならない。投資家は将来の収益よりも目先の損失リスクを気にするからだ。そうみると、ばかばかしいくらい当たり前のセイラー理論だが、株価に限らず、われわれが暮らす消費経済も、とんでもない間違った見方によって支配されている。

 典型例が消費税である。今回の衆院選挙の最大の争点は結局、消費税増税とその税収の使途になってしまい、衆院解散理由の「国難」の矮小(わいしょう)化もはなはだしい。消費税に関する大方の見識そのものがフェイク(でっち上げ)なら、なおさらのことだ。

 まず、2年後に予定通り消費税率を10%にし、それによる税増収分の一部を教育・子育て支援に回すので、景気に及ぼす悪影響は避けられるという安倍晋三首相の言説はどうか。消費増税に奔走した民主党政権の野田佳彦前首相は「増税しても、税収を社会保障充実に回すので家計の将来不安はなくなり、景気はよくなる」と言い張り、自民・公明を巻き込んだ「3党合意」で増税法案を成立させた。

 2014年4月からは消費税率8%に引き上げられたが、結果はグラフを見れば一目瞭然。持ち直していた家計消費は一挙に落ち込み、いまだに11年の東日本大震災時の水準すら下回っているではないか。

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