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【榊淳司 マンション業界の秘密】投資用マンションが民泊の巣になる 現状は自治体任せ、早晩さまざまな問題を引き起こすのではないか (2/2ページ)

 総会決議を有効とする全区分所有者の半数である定足数を満たすことにさえ汲々としている、投資向けのワンルームマンションなどの管理組合では、この4分の3決議は不可能な場合が多い。

 賃貸マンションの場合はどうだろうか。「居住用」という名目でマンションの部屋を借りて、そこを民泊に出しているケースをよく見かける。現時点では旅館業法に反する行為だが、18年の6月以降は既定を満たせば合法となる。だが、居住用として賃貸借契約を結んでいるのに民泊をしている場合は契約違反だ。

 あるいは、賃貸マンションのオーナーが自ら民泊を行うケースもあり得る。現に、京都市ではそういうマンションオーナーが旅館業法違反で逮捕される事件もあった。ただ、18年6月以降は合法になりそうだ。

 政府はインバウンド(訪日客)を2020年までに4000万人に増やそうという目標を立てている。足りないのは宿泊施設。その解決策の1つが民泊になる。

 今の法規制は何とも中途半端。宿泊施設が足りないエリアや、インバウンドを呼び込みたい地方都市では、この年間180日以内という規制を緩めるべきかもしれない。

 また、あまりにも自治体の裁量に委ねている現在の規定は、早晩さまざまな問題を引き起こすのではないかと予想できる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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