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【榊淳司 マンション業界の秘密】不動産の仲介手数料が自由化される日 現状「3%+6万円」の上限、「両手取引」する業者も… (2/2ページ)

 私は常々、この「3%+6万円」や「月額賃料の1カ月分」といった枠を外してしまえばいいと思っている。現に賃貸仲介の場合は「AD」(広告費)と呼ばれる広告料名目の手数料システムが行き渡ったことで、実質的に上限を破って自由化されている。

 ただ、これは法律の抜け穴を上手に使っているだけなので、好ましい自由化ではない。

 売買仲介の場合は、依然として「3%+6万円」の枠は維持されている。その代わり、業者たちは1つの取引でより多くの手数料を得ようとして違法な「囲い込み」を行い、売り買い双方から仲介手数料をせしめる「両手取引」を行おうとする。これは、特に売り手の利益を著しく毀損するものだ。

 仮に、手数料率が自由化されると「市場よりも1割高く売りたいけれど、手数料は倍払うから買い手を探して」ということが可能になる。

 逆に、契約手続きなど不動産業者には最小限の手間ひましか負担させないので、手数料は1・5%にしてほしいというエンドユーザーも多くなる。

 実のところ、手数料率は上限が決められているだけなので、後者のような手数料割引について、東京などの取引総数が多いエリアではすでに行われている。専門業者も増えているのが現状。つまり、売買の仲介手数料についてはすでに価格面での自由競争が始まっている。後は上限を取り払う自由化が必要なだけだ。

 手数料率の上限を取り払って囲い込みを厳罰化すれば、不動産取引はかなり透明になる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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