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人員削減すすめる銀行 究極的にほとんど人は要らなくなる (1/2ページ)

 日本で賃上げを実現させるためには、どうしたらいいのか。経営コンサルタントの大前研一氏は、解決するには業務の自動化と人員削減をすすめる必要があるという。そうなったとき、将来どのような雇用環境になるのかを、大前氏が予測する。

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 安倍晋三首相がアベノミクスの成果を喧伝する割に企業が賃上げしていない。その一方では建設、飲食、運送、医療、介護などの業界を中心に人手不足が深刻化している。

 普通の国は人手不足になれば賃金が上がる。しかし、日本は違う。前号で述べたように、日本人の名目賃金は20年間にわたって、ほぼずっと下がり続けているのだ。このパラドックスを解決するには、どうすればよいのか?

 たとえば、ドイツでは「デュアルシステム」(*)により、大学に進学しなかった人たちもマイスター制度の下で大卒の人たちとさほど遜色のない高賃金を得ることができる。

 【*注:デュアルシステム/義務教育修了後、職業学校に通いながら企業で職業訓練を受ける二元的なシステム。商工会議所などの試験に合格すると職業資格が取得できる】

 その代わり、デュアルシステムの対象とならない労働集約型の職種の多くは、外国人労働者(ガストアルバイター)が低賃金で経済の下支えをしている。これはこれで問題ではあるが、先進国の成熟社会を維持していくためには、そういう仕事に従事する外国人労働者が必要なのだ。

 実は日本でも年々、外国人労働者が増加している。厚生労働省がまとめた外国人雇用の届け出状況(2016年10月末現在)によると、外国人労働者数は108万3769人で、前年同期より17万5873人増え、2007年に届け出が義務化されて以来、過去最高を更新しているのだ。

 外国人労働者が就労している仕事のほとんどは付加価値が低く、語学が不十分で習熟度が浅くてもできるため給料が安い。ところが、日本はまだ外国人労働者が少ないので、そういう職場でも日本人が混在して働いている。たとえば、飲食店やコンビニなどである。それらの過当競争になっているサービス業を中心に、労働集約型で機械化できない職種の多くは賃金を上げたら成り立たないため、人手不足でも賃金が上がらない。

NEWSポストセブン
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