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【オトナの社会科見学】水産・築地市場に特化した図書室「銀鱗文庫」 希少資料の宝庫、デジタル化も

 「銀鱗(ぎんりん)文庫」は築地中央卸売市場内にある小さな図書室。仲卸有志の私的団体による水産、築地市場関係に特化した資料室だ。

 「海老協会創立五十周年記念誌」、マグロ業界の歴史を伝える「大物業会創立三十周年誌」など珍しい資料をそろえる。開くと、数十人で観光地に赴いた旅行先で、ずらりと列を作り、浴衣姿で写真に収まる典型的な「ザ・昭和」の懇親会風景も見られる。「きっぷの良い業界ですから、旅行費用より、宴会での芸者さんたちへの花代がすごかったらしいです」と銀鱗会編集・図書部長の福地享子さんは語る。

 市場移転で来年秋に文庫も豊洲へ移る予定。それを機に、戦後の築地の変遷も伝える「日刊食料市場新聞」など貴重な資料のデジタル化も進めている。「費用の工面は大変です」と福地さんは語るが、横を見ると、真新しく大きな事務用スキャナーと新型パソコンが鎮座する。「ある日、家電店からいきなり送られてきたんです。たまに文庫にお見えになるシニアの方が寄付してくださいました」という。

 「あしながおじさんって本当にいるんですねえ」とつぶやく彼女は、続けて「今も募集中です」といたずらっぽくほほ笑んだ。(矢吹博志)

 ■「銀鱗文庫」(東京都中央区築地5の2の1 中央卸売市場7号館2階、(電)03・3541・7194)10~14時 入館料無料 水曜、日曜日・祝日・年末年始休館

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