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楽天“いばらの道” 携帯参入、既存3社疑問「狙い分からない」

 楽天が、携帯電話大手3社に次ぐ第4の携帯電話事業者を目指すことを表明した翌日の15日、携帯利用者らに競争活性化による料金値下げへの期待感が広がった。野田聖子総務相も同日、大手に対して料金値下げに向けた注文を付けた。ただ、関係者の間には、楽天が3社と競り合う存在になれるかには懐疑的な声があふれる。料金の値下げに至るまでには、曲折が必至だ。(大坪玲央)

 「都市でも過疎地でも同じサービスが受けられて、料金もお値打ちという不断の努力を続けてもらわないといけない」。野田総務相は15日の閣議後記者会見で近年の携帯大手の料金値下げに理解を示しながらも、さらなる努力を要望した。

 携帯大手各社は、データを大量に使う人向けの料金プランなど、政府の求める負担軽減に努めてきた。今月もKDDIが前回の半額程度から利用できる25歳以下向けの学割キャンペーンを開始。ソフトバンクも15日、KDDIに対抗して同額で年齢制限なしのキャンペーンを始めることを発表した。ただ、大手のキャンペーンは、対象者が制限されていることなどから携帯利用者の不満は絶えない。楽天が自社回線で携帯電話事業を始めると携帯大手以下の料金を打ち出す可能性が高く、大手3社の対抗値下げも期待できる。

 しかし、3社からは楽天の携帯事業への参入表明に関し「焦り」よりも「困惑」の声が多く聞かれる。「対応を考える以前に、楽天の狙いが分からない」。3社の多くの関係者はこう首をかしげる。

 楽天は7年間で最大6000億円規模の設備投資を発表したが、「大手に比べて少なすぎる」との見方が大勢だ。関係者は「都市部では自社回線でサービスを提供し、郊外では他社回線を借りるのではないか。しかし、借りるコストは収益を大きく圧迫する」と楽天の事業運営に疑問を抱く。

 「第4の携帯電話事業者」は、政府関係者も期待を込める月額負担の軽減に向けた切り札だが、多くの事業者が失敗した「いばらの道」でもある。楽天に勝算はあるのか。三木谷浩史会長兼社長の手腕が問われる。

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