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【榊淳司 マンション業界の秘密】マンションの廃墟化は法改正で防げる 相続の分離放棄などちょっとした発想の転換が必要 (2/2ページ)

 まず、すべての管理組合を法人化する。法人格のある組合はマンションの住戸を買い取れる。

 次に民法を改正して区分所有権については相続において分離放棄できるようにする。

 例えば、多摩ニュータウンにある老朽マンションと現金や株式などの相続財産が発生した場合、今ならすべてを相続するか、あるいは全部を放棄するしかない。しかし区分所有権の分離放棄が可能となると、「多摩ニューのマンションだけは放棄」という選択が可能となる。

 ただし、部分放棄された区分所有権は必ずそのマンションの管理組合が取得するようにしておく。

 また、管理費等を5年以上滞納したマンションの所有権も、裁判所の判決を得て管理組合が取得できるようにする。

 そういう住戸を取得した管理組合は、売却できるものは売却して新たな区分所有者から管理費等を徴収できるようにする。売却できないものは賃貸や民泊などで収益を図る。デイサービスなどのケア施設を作ってもいいだろう。あるいは、交換などによって住居部分を集中させ、共用部への経費などの出費を軽減させることも可能になる。

 マンションの老朽化というのは、人間の高齢化と同じで防ぎようがない。だからできるだけ健康なカタチで長生きさせる手法を考えるべきだ。そのためにはちょっとした発想の転換や法律の改正が必要となる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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