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【こんな時代のヒット力】社内公募で「かつてない酔い覚まし」のアイデアから誕生 酢酸菌に注目、値下げ奏功のキユーピー「飲む人のためのよいとき」 (1/2ページ)

 12月も後半、飲み会が続く人も多いだろう。2016年、キユーピー(東京都渋谷区)が発売した、酢酸菌を配合したサプリメント、「飲む人のためのよいとき」が好調だ。同社は数字を発表していないが、「発売以来、2桁アップの右肩上がりの売れ行き」だ。

 同社ではビジネスの発掘を目的に、12年から新規ビジネスの社内公募「Try!Kewpie」(当時)を実施している。「よいとき」は当時、知的財産部にいた奥山洋平氏(研究開発本部兼マーケティング本部)が提案した企画で、商品化第1号だ。

 企画にあたり、奥山氏は「会社として取り組むべきだ」「体にいい」の2点から酢に着目した。酢はマヨネーズの原料であり、そのため長年培った醸造技術があるからだ。

 江戸時代の文献に「酢は酔い覚ましによい」という記述があるのをヒントに、酢酸菌が原料である酒のアルコール成分を分解し、酢の主要成分である酢酸に変える働きがあることに着目。この機能を利用し、「かつてない商品を開発できる」とアイデアが浮かんだ。

 にごり酢と呼ばれた江戸時代と異なり、現在は、にごりの原因となる酢酸菌を製品化の段階で濾過(ろか)し、捨てている。開発部に異動した奥山氏は早速、開発を始めた。最大の障害は、通常のにごり酢に含まれる酢酸菌がわずか0・0数%だったことだ。

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