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【図解で分かる「決算書」の仕組み】「ケア21」、介護周辺事業で収益基盤強化を 積極的な営業展開で売上高増、前の期から黒字転換

 本日は、訪問介護や施設介護事業を手がける「ケア21」をピックアップする。関西を地盤とする業界中堅の同社であるが、その実態はどうなっているのだろうか。2017年10月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。有利子負債を多額に抱えているため、資産全体に占める純資産の割合は13%と低い。一般的に30%が安全性の目安となるため、同社の財務基盤には懸念が残る。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率は3・5%、純利益率2・9%と、他の介護大手と比べるとやや見劣りする。しかしながら、関東エリアにも拠点を増やすなど、積極的な営業展開により売上高が増加し、前の期の最終赤字から黒字転換を果たした。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。業績改善により営業C/Fは前の期と比べると2倍以上に増加した。本業で獲得したキャッシュを、新規出店などの投資や有利子負債の返済に充当している。

 同社は今後、葬儀事業や高齢者に限定した人材派遣事業、不動産や車の売買仲介など、事業の多角化を展開するという。急速な高齢化に伴う介護ニーズの増大は必至であるものの、介護周辺事業を取り込むことで収益基盤を強化したいところである。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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