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【榊淳司 マンション業界の秘密】不動産選びは「美人投票」の法則で 資産価値を予想、“思い入れ”はNG (2/2ページ)

 自分たちが亡くなった後の相続も厄介。子供たちが「こんなものを残してくれて…」と恨まれる物件になっている可能性も高い。

 ただ、自分たちの住まいならまだ傷は浅いかもしれないが、不動産投資を行う時に思い入れで物件を選んだりすると、傷口は広がる。その物件が、今は一定以上の利回りを確保できていても未来は分からない。人口増加が見込めないばかりか減少が確実に予測されるエリアにある投資物件は、時間とともに確実に投資効率が悪化する。高そうに見えている利回りはその時が最高で、徐々に低下する運命にあるのだ。

 そうでなくても、マンションやアパートは建物が日々劣化する。経済学者のケインズは株式投資における勝利の方程式を、「他の人も美人(有望)だと思う人(銘柄)に投票(投資)すべき」と唱えた。これは不動産の物件選びでも適用できる。

 自分が好ましいと思うから高い資産価値を有していたり、投資向けとして優良な物件なのではない。他の多くの人が好ましいと思ってくれてこそ、資産価値は高く評価できるのだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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