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【大前研一 大前研一のニュース時評】日本は「資産課税」が正しい道 世界に対してみっともない“年収850万以上は金持ち” (1/2ページ)

 自民、公明両党は14日、2018年度の与党税制改正大綱を決定した。給与所得控除を減額して年収850万円を超える会社員への所得増税やたばこ増税、森林保護や観光インフラ整備の財源とする27年ぶりの新税創設などが盛り込まれ、差し引き約2800億円の増税となる。月内に閣議決定し、来年1月召集の通常国会に関連法案を提出する。

 この税制改正大綱でびっくりしたのは、850万円以上の年収の人を勝手に「金持ち」と定義していることだ。

 例えば、米グーグルなどのエンジニアの初任給は約1500万円だ。世界に年収850万円を金持ちとしている先進国はない。この数字は、世界に対しても、みっともないのではないか。

 だったら、多額の議員歳費をもらっている議員センセイも、当然、「超金持ち」になると言いたいところだ。そして、年収850万円以上の会社員に増税をすると、さらに景気は悪くなることは間違いない。

 英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」に「日本のような国は、消費税など消費の側に課税するのではなく、貯蓄に課税したほうがいい」という記事があった。これは私が以前から主張している「資産課税」と同じ考え。資産課税は、預貯金や株式などの流動資産と不動産などの固定資産に対し、一律に課税するものだ。

 これから先、給料が上がることが期待できない日本は、基本的には所得や消費を課税対象とするフロー課税(所得税、法人税、消費税など)ではなく、不動産や金融資産を課税対象にするストック課税にしなければ、立ち行かなくなる。私はこのことを口を酸っぱくして言ってきたが、ようやくフィナンシャル・タイムズも書いてくれた。

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