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【経済快説】不適切な経団連会長の「副業否定」 会社外の収入制限して忠誠心得るのは無理筋 (2/2ページ)

 情報漏洩は、副業や兼業をしていなくても起こり得る。榊原氏の出身母体である東レの子会社で品質管理の不正が明るみに出たのは、副業や兼業をしている社員からだったのだろうかと勘繰りたくもなるが、もちろん悪いのは会社の方だろう。

 ところで、この問題について、榊原氏は、経団連としての経営者の引責の模範解答をまだ示していない。この方は、「知らなかったのなら、経営者は悪くない」で済ませるつもりなのだろうか。

 会社以外の収入源を持つ社員にあって、副業や兼業を持つと会社に対する忠誠心が低下する可能性はあろう。しかし、これも会社が適切に管理すべき問題だ。会社外の収入や立場を制限し、社員を会社に従わせるのは無理筋で、無能な経営者の考えそうなことだ。

 一方、榊原氏も、副業・兼業が社員の能力開発に役立つことを認めておられる。政府が検討中の「人生100年時代」への対応策としても、社員の副業・兼業は、能力開発に加えて、セカンド・キャリアへの、リスクが小さくスムーズな移行を可能にする面がある。

 会社も社員も、副業・兼業を積極的に認めて、活用すべきだ。榊原氏の発言は大変残念だった。(経済評論家・山崎元)

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