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【秘録 今明かす「あの時」】山一証券の破綻により“しんがり”引き受けたサムライたち 無給、休み返上で清算業務 (2/2ページ)

 「知った気になっていましたが、それを打ち破ってくれました。話を聞いていくうちに『すごいことだったんだな』と。聞けば聞くほど面白いという感じでした」

 嘉本だけでなく、清算業務の責任者だった菊野晋次らとも何度も会った。「本が売れるとか売れないとかみじんも考えなかった。この人たちの話を活字にして残したいという気持ちでいっぱいでした」。『しんがり~』は反響を呼び、テレビドラマ化もされた。

 そして、破綻から20年を迎えた今年11月、清武は『空あかり 山一証券“しんがり”百人の言葉』(講談社)を上梓した。前著では描ききれなかった女性社員や元山一社員の妻ら102人の物語が収録されている。

 102人の中には証券会社や銀行に転職した人もいれば、俳優や造園業、居酒屋経営などまったく別業種に転じた人もいる。それぞれに、それぞれの人生があった。

 清武は、元山一社員の20年をこう総括した。

 「大半の人は本来ならもっと豊かな暮らしをしていたでしょう。なんとか家だけは確保し、今は年金で暮らしている人が大半です。ほかの会社に勤めていたら、別の暮らしもあったりしたのだろうけれど、満足している人が多い。彼らの言葉には重みがある。心に染みるものがあります」=敬称略(森本昌彦)

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