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【図解で分かる「決算書」の仕組み】廃棄物の収集・運搬で23区網羅、非常に高い収益力の「要興業」

 本日は、廃棄物の収集・運搬を手がける要興業をピックアップする。昨年12月25日に東証二部に上場したばかりの同社であるが、その実態はどうなっているだろうか。2017年9月中間期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産全体に占める純資産の割合は70%近くある。業種的に多額の設備投資が必要となるものの、有利子負債はそれほど多く抱えていない。

 上場したばかりではあるものの、1973年創業の同社には、過去の利益の蓄積である利益剰余金が潤沢にあり、同社の財務基盤を支えている。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率が13%、最終利益率も9%と、収益力は非常に高い。東京都内に約7000カ所の収集拠点があり、23区全体を網羅しているのが同社の強みである。コスト全体の中でも人件費の割合が大きいが、事業規模が大きい分、効率的に収集運搬ができる仕組みになっているのだろう。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fが大きく、それを有形固定資産などの設備投資に充当している。

 ごみ排出量は年々減少傾向にあり、業界的には決して楽観できる状況ではない。顧客から信頼を勝ち取り、地道にシェアを奪っていくことが成長の鍵となるだろう。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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