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【図解で分かる「決算書」の仕組み】インスタグラムで追い風のキヤノン、「インスタ映え」ブーム後の新規事業が急務

 本日は、キヤノンをピックアップする。デジカメや複合機メーカーとして確固たる地位を築いている同社であるが、直近の実態はどうなっているのだろうか。2017年12月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合が60%近くもあり、安全性は全く問題ない。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率8・1%、純利益率5・9%と、収益力は高い。前の期との比較でも、売上高・利益ともに2桁台の増加となった。16年12月に東芝から買収した医療システム事業が加算されていることもあるが、主力のデジカメ販売が好調だった。「インスタ映え」という言葉が流行語になったように、高性能カメラ人気が牽引(けんいん)役となった。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。業績好調により営業C/Fが前の期よりさらに増加し、キャッシュ面でも好調さが伺える。

 数年前まで、スマートフォン普及のあおりで苦戦していたデジカメ販売だったが、今は逆に、スマホアプリ「インスタグラム」が追い風となって盛り返している。しかし、今後「インスタグラム」の恩恵がいつまで続くかは不透明だ。ブームが去った後に下支えとなる新規事業の育成が急務だろう。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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