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野菜価格、高止まり懸念 デフレ心理払拭の障害 身近な商品…消費へ悪影響

 内閣府が発表した景気動向指数は過去最高の数値だったが、消費者心理には暗さも漂う。中でもここ数年続く、秋から冬にかけての野菜価格高騰の影響は顕著だ。総務省によると、平成29年12月の生鮮野菜の消費者物価指数は22年以降3番目の高さ。過去1番目、2番目の高さを記録したのも28年10、11月で、やはり秋だった。野菜価格の消費への悪影響は大きく、今後のデフレ心理払拭の障害になる恐れもある。

 過去の消費者物価指数をみると毎年10~12月の生鮮野菜は上昇傾向にある。27年を100とする現在の指数では、25年10~12月の水準は96~98程度だったが、28年の同時期は110~126、29年の同時期は94~117となっており、価格水準が上がってきている。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は「理由ははっきり分からないが、近年(夏から秋の)天候不順が顕著になっていることが背景にある」と指摘する。実際、気象庁のデータをみても夏~秋の降水量はこのところ増加傾向にある一方、日照時間は減少傾向だ。

 野菜は身近な商品だけに価格高騰は消費者心理に悪影響がある。昨年12月の内閣府の消費動向調査で消費者心理を示す消費者態度指数が4カ月ぶりに悪化したのは、野菜の値上がりが大きな理由だった。

 小林氏が懸念するのは、野菜価格の高止まりが続き、「たとえ今年の春闘で政府の求める3%以上の賃上げが進んだとしても、消費は大きく回復しない恐れがある」ことだ。

 モノが売れなければ企業は値上げできず、政府・日銀が重視する消費者物価指数(総合)から生鮮食品とエネルギーを除いた「コアコア指数」は上向かない。この結果、デフレ脱却判断が遅れる恐れもありそうだ。

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