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【トップ直撃】次の時代へ広がる“和”のテイスト 『叶 匠寿庵』芝田冬樹社長「ブランドを大切に、新しいマーケットにも柔軟に対応」 (1/3ページ)

★「叶 匠寿庵」芝田冬樹社長(53)

 新時代の高級和菓子を生み出し人気を集めてきた「叶 匠寿庵」。有名百貨店を中心に出店しブランド力を高めてきたが、時代は変わり、百貨店業界は売り上げ不振に悩んでいる。創業家3代目、芝田冬樹社長は出店戦略を多様化するとともに商品戦略を見直し、さらに本拠地「寿長生(すない)の郷」で新しい挑戦を始めつつある。(清丸惠三郎)

 --ここにきて、経営面で動きが活発化しています

 「私どもは創業者、芝田清次の代に彗星のように和菓子業界に登場し、新しい和菓子を待望していた人たちに熱狂的に支持されました。後を継いだ私の義父で2代目社長の清邦の時代には、この『寿長生の郷』を本格的に開発し、販売面では百貨店を中心に出店を急拡大させました」

 --ある時期から都内や大阪などの有力百貨店で「叶 匠寿庵」を見かけることが多くなりました

 「しかしバブル崩壊後、主力だった百貨店マーケットがシュリンクして空港や駅売店などに需要がシフトし、そうした動きに対応する必要が出てきました。新しい店を出すだけでなく、以前からの店を閉めるスクラップアンドビルドの政策を取らざるを得なくなったのです。収益の伸びも一時足踏みしました」

 「一方で、初代は典型的カリスマ経営者。会社イコール自分で義父も基本的に創業者と似たタイプでした。創業者は会社の長期ビジョンを残し、『2代目は川の流れをつくれ』『3代目はその流れに沿って水を流せ』と。2代目は初代のつくり上げた会社を組織で動く会社に整備し、3代目は組織的マネジメントで会社を運営しなさいということでしたが、義父も創業者と似たタイプであったために、私に2代目のやるべき仕事、組織の整備という役割が回ってきたのです」

 --なるほど

 「ワンマンタイプの経営者が2代続いたことから、外見の好印象とは異なり『叶 匠寿庵』は組織の多くが未整備でした。私は社長に就任すると、まずこの点の改革に取り組み、組織を整備し、社員が働きやすいように事務所も建て直しました」

 --昨秋、新しい試みとして「寿長生の郷」でパンとコーヒーの店を出したそうですね

 「以前、当社に勤めていた男性が『ここでパンを作りたい』と言ってきたのがきっかけです。この土地で従来、私たちは地元の人たちの協力も得ながら梅を育て、オーガニックの農産物を栽培してきました。私どもは和菓子屋ですから、それらを原料に和のテイストのパンを作りたいなと。アンパンとか、山椒を入れたパンとか。基本はおいしさに加えて、健康にもよいことです」

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