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【経済快説】奨学金は合理的な借金 問題は本人が価値のある勉強をすることができるかどうか (1/2ページ)

 近年、大学などに進学するにあたって奨学金を利用する学生が増えている。一方で、卒業後に奨学金の返済に苦労するケースが少なくない。奨学金の利用をどう考えたらいいのだろうか。

 奨学金の利用に関しては、わりあい意見が割れている。若者が借金を背負って社会に出ることをかわいそうだという意見もあれば、利用できる制度があるのだから利用した方がいいという意見もある。

 筆者は、奨学金の利用に関して比較的肯定的だ。

 奨学金は、「借金」としてその良し悪しを評価すべきだが、借金には、「良い借金」と「悪い借金」がある。良い借金とは、借金を利用することで得られるメリットが借金のコストとリスクのデメリットを上回る計算が立ち、同時に金利などの借り入れ条件が悪くない借金だ。事業の利益の計算が十分できる投資に対して、企業がお金を借りるのは良い借金の一例だ。企業の場合、ROE(自己資本利益率)を上げるために、借り入れが奨励される場合もある。

 大学などに通う学生が利用できる奨学金は、日本学生支援機構のものが代表的だ。同機構は有利子だが、無利子の奨学金(第1種)よりも審査条件が緩い第2種奨学金の2017年の奨学生に適用される利率は固定金利で0・2%台後半、変動金利で0・01%だ。

 大学に進学するかしないかで生涯所得は数千万円単位で異なる(大学に行く方が多い)。もともとの素質の問題があるので、この差の全てを大学の教育で説明するわけにはいくまいが、(大学によるとしても)多くの若者が大学に進学することで、生涯所得を1000万円よりはかなり多い金額で改善していそうだ。多くの若者にとって、大学の学費は「ペイする」支出だ。

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