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【介護離職に備えよ】広がらない「安否確認サービス」、原因は詰めの甘さ 親と子の思いつなげるサービスを (1/2ページ)

 先日、筆者のオフィスに、昨年から安否確認サービスに参入した某大手企業の担当者が訪ねてきた。満を持して投入したサービスがうまく軌道に乗っていないようだなとピンときたが、予測は当たり、「こういうサービスは市場がないんですね」と投げやりに語ってくれた。

 「離れて暮らす親が元気でいるか?」を見守るサービスは20年近く前から次々に出現したが、商品化されたサービスのほとんどが消えていくパターンを筆者は見てきた。撤退していないサービスもあるが、当初の目標には遠く及ばず、細々と継続しているのが実情だ。

 ただ、縮小しているサービスなのに、新サービスのような取り上げ方で報じられている記事を目にすることも多い。

 なぜ、「安否確認サービス」は軌道に乗りにくいのか?

 理由はさまざまあるが、やはり高齢の親の思いと子の思い、そして作り手の思いに齟齬があり、お互いがお互いを理解しようという姿勢がない点が大きいだろう。

 親からしてみれば、80歳になろうが、90歳を過ぎようが、自分が元気でいるのなら、子供に“監視”されるのは嫌だという人は多い。それに、いざ自分が倒れたときに、救助してくれるサービスまで完璧に網羅していて、かつ煩雑な手続きが不要で料金が割安というサービスはない。

 つまり、いざとなっても命を救えないサービスが多く、金額の多寡にかかわらず、導入するに至る決定打に欠ける安否確認サービスがほとんどだということだ。

 さらに、サービスにかけるお金を「親と子のどちらが払うのか?」という問題もある。当連載は「介護離職に備えよ」というタイトルだが、現実には人は何かが起きないと動かない。

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