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【田村秀男 お金は知っている】日銀人事 早稲田出身、若田部日銀副総裁の使命は財務省からの独立だ (1/2ページ)

 昨夏、早稲田大学建学の祖として大隈重信と並び称される小野梓の出身地、高知県宿毛市を訪ね、碑に刻まれた言葉に見入った。「国民精神の独立は実に学問の独立に由る」。今の日本の経済学に欠けているのはこの気概ではないか。

 ひたすら財務省にすり寄る御用学者たちは1997年の消費税増税が20年デフレのきっかけになった事実を否定。原因をアジア通貨危機や山一証券破綻に押しつけ、さらなる消費税増税の経済への悪影響は軽微だと民主党政権時代の野田佳彦首相をその気にさせた。

 増税に慎重だった安倍晋三首相も言いくるめられて2014年3月に消費税率を予定通り8%に引き上げたら、それまでのアベノミクスの成果は吹き飛び、デフレ圧力が再燃した。

 御用論者は性懲りもなく財務官僚のシナリオに従って、消費税率10%への再引き上げを催促する。安倍首相は2度拒絶した揚げ句、19年10月に先送りした。昨秋の衆院選では実施を公約に掲げた。脱デフレをそれまでに必ず達成しないと、増税は無茶だ。

 重大な意味を持つのが日銀首脳陣の人事である。安倍首相の周辺では、4月に1期目の任期が到来する黒田東彦(はるひこ)総裁に代わって、個人的にも親しいアベノミクスの指南役、本田悦朗スイス大使を起用する案も浮上していた。

 本田氏は拙論と同じく、日本再生のためには、財政と金融の両輪をフル稼働させる必要があると論じ、消費税増税にも慎重論を唱えてきた。

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