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【田村秀男 お金は知っている】日銀人事 早稲田出身、若田部日銀副総裁の使命は財務省からの独立だ (2/2ページ)

 案の定、「本田総裁」案には財務省と日銀が共に猛反対したが、官僚に距離を置く首相は意に介す様子をみせなかった。それでも、異次元緩和政策を推進してきた黒田氏を交代させる理由もない。黒田氏本人もやる気満々だ。他方では「お友達」の本田氏を任命した場合の政治的雑音も予想される。リスクの少ない黒田続投が決まった。

 首相がアクセントをつけたのは副総裁人事である。リフレ派学者、岩田規久男副総裁の後任に指名したのは早稲田大学の若田部昌澄教授だ。財政・金融の両輪論では本田氏に近く、消費税増税に反対する希有な学者である。安倍首相に予定通りの消費税増税を迫る財務官僚上がりの黒田氏を牽制(けんせい)できる。

 もう1人の副総裁候補には米コロンビア大教授の伊藤隆敏氏がいた。財務官僚お気に入りだが、日銀官僚はかなり早い段階から潰しにかかった。日銀生え抜きで将来の総裁候補と推す雨宮正佳理事をどうしても据えたかったのだ。

 ここで冒頭の話に戻す。日銀は1998年の改正日銀法で財務省からの「独立」を果たした。ところが、日銀官僚はいまだに財務官僚の言いなりだ。学者時代には財務省の緊縮財政に批判的だった岩田副総裁も日銀入りしたあとは、周りから財政批判の口を塞がれた。早稲田出身の若田部氏は、緊縮財政や増税の尻拭いをするのが独立日銀ではないはずだ、との気概を示すと、期待したい。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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